第二章 A's編
第五十三話 『受け継がれる魂と記憶』
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デバイスに物質化させていただいたのです。
宝具であるアヴァロンとエクスカリバーと一緒に。シホの助けになるために…」
「そうだったのセイバー…」
「ええ。そしてアンリミテッド・エアの中に眠りについた後、宝石翁に運命の魔術をかけてもらい長い年月をかけて巡り会えるようにしていただいたのです」
「大師父に助けてもらいっぱなしね、私…」
「感謝をした方がいいですね、シホ」
「ええ。でも、それじゃどうして私と士郎は魂が二つに分かれてしまったの…?」
その疑問を述べると二人は曖昧な表情をしだして、
「それは…まぁこれから分かることです。ではそろそろ登場してもらいましょうか」
………―――分かりました。
そこに新たな女性の声が背後から聞こえてきて振り向くとそこには先ほどの記憶の女性が立っていた。
「こうして話すのは夢以来ですね。シホさん…」
「あなたは…」
「私はアインツベルンの始祖…名は、『シルビア・アインツベルン』です」
「シルビアさん…」
「はい…。この言葉は覚えていますか?
『どうか私の悲願を叶えてください。きっとあなたの時代に王は再誕するでしょう。彼女をどうか守ってください…』
…と、いう言葉を…」
これも夢の言葉通りだ。ちゃんとノイズもなくしっかりと聞き取れる。
「はい。覚えています。でも、再誕、か…。王というのはやっぱり…?」
「はい。オリヴィエ王女の事です。
私は結局元の世界に、陛下の下に帰ることができなかった。
だからあなたがゼルレッチさんの第二魔法で世界を飛ばされる瞬間、チャンスだと思いました。
まだ私の魂は根源にいかず、イリヤスフィールの中に記憶とともにかすかに残っていたのです。
あなたがイリヤスフィールの魂も宿った体に乗り移った時に私はあなたの魂にも憑依したのです。
でももとよりシホさん、イリヤスフィール、そして私という三人分もの魂が一つの体に納まるわけがなく、魂が収まるちょうどいい分配で世界を飛ばされた瞬間にシホさんの魂が二つに分かれてしまったのです。
そして分かれた魂は世界からの情けとも言うべき判断で彼に似合う動物の使い魔の姿にさせられ記憶をなくし飛ばされたのです」
それでシルビアさんは頭を下げて私に謝罪をしてきた。
「…なるほど。そんな経緯があって私と士郎は分かれてしまったんですね」
「ごめんなさい…」
「いいですよ。士郎も使い魔という存在になりましたが今私とは別に家族を得ていますから」
「そうですか…。でも、まだ完全に私の魂とシホさんの魂は混ぜ合っていないのです。だから断片的に夢で私の記憶を見せることしかできませんでした…。
ですが、言い方は悪いですがたまたまなのか、それともこれも運命なのか夜天の魔導書があなたを夢の世界に連れて
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