―修学旅行 最終日―
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斎王が何の目的でここに来て、何故俺だけをバーチャル空間から強制ログアウトさせたのかは、斎王の腕にあるデュエルディスクを見れば何となくだが予想は出来る。
「何か聞き出したいのなら……これで聞き出すのが我々のルールでしょう?」
これで、とは、今準備しているデュエルディスクを言っているのだろう……確かにそれは同感だ。
意見が別れたなら、デュエルで決着するのが俺たちデュエリストのルールなのだから。
「俺が勝ったら、お前が何をしたのかを教えてもらう!」
「当然、あなたが負ければ光の結社に入ってもらいましょう」
デュエルディスクを構えた対面の相手は、光の結社の首領……つまり、万丈目や光の結社構成員のように、倒した相手を光の結社の一員にする能力があるのだろう。
明日香の為にも万丈目の為にも俺自身の為にも、絶対に負けるわけにはいかない……!
『デュエル!』
遊矢LP4000
斉王LP4000
「私のターンから。ドロー」
俺のデュエルディスクには『後攻』と表示され、先攻はまず斎王からとなる……本来ならば歓迎しないことだが、斉王のデッキを見極める為には必要経費もしれない。
「私は魔法カード《幻視》を発動。カードを一枚引き、相手に見せます……今から私が引くカード、それはあなたの分身とも言える運命のカードなのです……ドロー」
怪しい占い師のような文句を言いながら、斎王がデッキから引き抜いた一枚のカード、その名は《アルカナフォース0−THE FOOL》という天使族のカードだった。
「そのカードが俺の分身だと?」
《アルカナフォース》というカテゴリーのカードは、その名の通り大アルカナという、占いに用いるカードをモチーフにデザインされているカード群だ。
《アルカナフォース》というカード群にも大アルカナにも詳しくはない自分だが、THE FOOLの意味は……『愚者』だ。
「フフ……その引いたカードをデッキに戻してシャッフルします。そして、《アルカナフォースIII−THE EMPRESS》を守備表示で召喚します」
アルカナフォースIII−THE EMPRESS
ATK1300
DEF1300
女帝を意味するのだろうジ・エンプレスの召喚により、斎王のデッキは【アルカナフォース】であることが確定する。
ザ・フールは他の天使族デッキにも入っているのだが、ジ・エンプレスは見たことがないからだ。
「アルカナフォースがあらゆる召喚に成功した時、運命のルーレットが回転します……さあ、あなたの手で運命を決めてください」
エドといいこいつといい美寿知といい、最近やたら運命という言葉にこだわる人間に関わる……光の結社構成員がそう言うのも、何かしら関係があるのだろう。
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