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第十話 騎士姫の受難
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に戦った剣士のこと。

様々なことが頭をよぎる。けれどなぜあの剣士の事を考えてしまうのだろう?
やはり意見が対立してばかりなのだから印象に残りやすいのだろうか?

そんな場違いなことを考えながら私は瞼を閉じてその時が来るのを静かに待つことにした。

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“君はそれでいいのかね?”

そんな声が聞こえた。

“君は自分の人生を終わりにしてもいいのかね?”

しょうがないじゃない。こんな状態じゃあの獣には勝てっこない。

“君は勝つ可能性が無いのなら諦めるのか?”

なら――――どうすればいいのよ―――

“では問おう。君は生を望むかな?”

え?

“生きる事、それを君は望むのかと私は尋ねている”

……

“それとも、諦めて自らの死を選ぶのか?”

……

“…君は死にたいのか?”

……

“抗いたくはないか?この世の不条理から、自らの運命から”

……

“このまま死を受け入れるか?”

…たくない…。

“…何?”

死にたくない!!
私はもっと生きたい!!
負けたくない!!!
この世界にだけは負けたくない!!!!

こんなところで…こんな終わり方は嫌だ!!

諦めるわけにはいかない。
私はこの世界にだけは負けたくない。

私は痛む体に鞭を打ち、辛うじて起き上がると強く叫んだ。

“ふむ、君は絶望的な状況にいながら自らの死を受け入れたくないのだな”

そう――私はまだ、生きたい。

“よろしい。その心の在り方に期待しよう”

え?

“君のような人間にふさわしいサーヴァントが残っている”

何を…

“さあ…健闘を期待する”

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硝子の砕けるような音がして、辺りが強い光に包まれた。
その光により獣は一瞬怯む。
痛む体をどうにか立ち上がらそうとするが体が言う事を聞かない。
座り込んだまま辺りを見回すと、地面には魔方陣のようなものが描かれていた。
光が収まり始めると、魔方陣の中央にいつの間にか何かが浮かび上がりつつあった。


その姿は、

外見はほとんど普通の人間と変わらない。
だが違う、明らかに。
ここへ来るまでに出会ったプレイヤーや敵などとは比べ物にならぬほどの、人間を超越した力。
触れただけでも蒸発しそうな、圧倒的なまでの力の滾り。
それが体の内に渦巻くのが嫌でも感じ取れる。

この感覚を私は体験したことがあった。
そう、それは第一層攻略戦で自らを“ビーター”と名乗ったプレイヤーが、銀の女騎士を召喚した時にも私は同じような感覚を体験した。
そして現在は、私が彼と
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