第十話
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くはありますが、ウェールズ様を、トリステインを必要以上に戦渦に晒すわけにはいきませんからね」
「とはいえ、トリステインがレコン・キスタに狙われる可能性はほぼ絶対なのは間違いないわ。彼らは組織として、大きくなりすぎている。それこそ、身を潜めることが不可能がぐらいに」
「だからこそ、彼らは第一の拠点を得ようと、アルビオンを襲撃した」
「そゆこと。しかし、それだけで終わることはない。彼らはその成り立ち故に、足を止めることは許されない。武力によって地位を得た彼らは、最早ハルゲキニア全体の敵となったと言っても過言ではない。そんな状況下でせっせと地盤固めなんてしていたら、簡単に潰されてしまう。だから、残る国の中で最も脆弱とされているトリステインを狙い、一気に規模を拡大させる腹づもりでしょうよ」
「………戦争は、終わらないんですね」
「終わったら終わったらで巫山戯るなって感じだけどね。今、この瞬間にもウェールズの為に命を賭けている人達がいるのに」
「戦争自体は否定しません。ですが、今回のアルビオン制圧は、まるで意味を見出せません。本当にあるのかさえ不明瞭な聖地奪還の為に無駄に命を散らすことが、意味のある行為だったなんて、認められるわけがありません」
「未知を目指すからこそ、人は進歩していくとは言うけれど、そんなものは勝者の理屈よね。でも、彼らは勝者にはなれない。何故なら―――」
「―――私達が完膚無きまでに叩きのめすから、ですよね?」
アンは、直視できないぐらい眩しい笑顔で、そう続けた。
この瞬間、レコン・キスタの破滅への一歩が始まった。
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