第9話『帰郷』
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針路を変える気はねえぞ?」
金髪で食事を作ってくれた男がまずは問いを発した。彼の言葉は実に当たり前だ。俺もそれに異論をはさむほど自分勝手な人間じゃない。彼らの目指す島で下船して、また改めてコノミ諸島を目指せばいい。なにせここはもうイーストブルー……のはず。わざわざカームベルトを通らなくていい……はず。
……カームベルトで泳いでいる途中、知らない間に方向転換してしまって、今俺は実はグランドラインにいるとかだったらどうしようか。
「というかここってイーストブルーでいいんだよ、な?」
「ああ」
よかった。本当に良かった。これでイーストブルー以外の場所だったら俺はきっとここで泣き崩れていただろう。しかし海牛ってグランドラインの生物じゃなかったか? なんでこの船をひいてるんだ?
まぁあんまり興味ないからどうでもいいけど、とにかくイーストブルーに無事たどり着いたことにほっとしておこう。
俺の安堵がもしかしたら表情に出ていたのかもしれない。
「自分がどこを泳いでるかもわからなかったのか?」
「なんだ、お前迷子だったのか」
金髪の言葉の後を続いて麦わら帽子の男がどうにもいやな言い方をしてくれる。ただ、表情には馬鹿にしてたりする色は見られない。純粋な好奇の色のほうは見え隠れしているが……もしかしていわゆる天然タイプというやつなのだろうか。
「い、いやな言い方だけど……実際に迷子だったな」
なんか情けないな、俺。
と。
それまで黙っていたもう一人、坊主頭で額あてをしている男が急に神妙な表情で言う。
「悪いことはいわねぇ……あんたこの船から下りたほうがいい」
「?」
「なんとこの人たちの向かう先はあのコノミ諸島。あの賞金額2000万の魚人アーロンが統べる場所アーロンパークだ。言っちゃあ悪いが正気の沙汰じゃねぇ」
「!?」
驚いた。実に驚いた。
いや、本当に。いろいろと驚く点が多すぎて反応できないくらいに驚いてしまった。
「ほら、固まっちまったじゃないっすか! 普通はこういう反応するくらいに恐ろしいやつらなんすよ! そうと決まれば今からでも遅くはないっす引き返しやしょう」
「だから、そこにナミがいるんだから行くって何回いわせんだ」
「ナミさんに早く会いたいなー」
ヨサクと呼ばれた男の言葉に、麦わらの男と金髪の男が口々に言う。
「だー! そこに――」
今、なんて言った?
「わか――?」
ナミ?
ナミって言わなかったか?
「おい、お前――――?」
落ち着け。呼吸が乱れる。
一からだ。
一から情報を整理しよう。
彼らはコノミ諸島に向かってる。うん、俺もだ。やったね、これはラッキー。
となると海賊でギザ鼻
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