暁 〜小説投稿サイト〜
失われし記憶、追憶の日々【ロザリオとバンパイア編】
原作開始【第一巻相当】
第十七話「修業開始」
[1/5]
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
「ほぅ、良い目をする……」
「え?」
「いや、なんでもない」
怪訝な顔をする青野に頭を振り、改めて説明する。
「さて、青野には一カ月で自衛手段を身に付けてもらう」
「一カ月!?」
素っ頓狂な声を上げる青野に頷く。
「そう、一カ月だ。ただし、外の世界で換算するとだ」
「外の世界?」
「この魔方陣の先は異世界に繋がっている。――ああ、異世界だと聞いて驚くのは分かるが、今は難しく考えるな。そういうものだとそのまま受け止めろ。でだ、その世界とこちらの世界とでは若干時間軸にズレがあってな。簡単に説明すると、こちらの一月が向こうの一年に相当するんだ」
目を白黒させる青野に簡略的に説明する。要はその時間軸のズレを活かし、一月の間に一年の濃密な修業を行ってもらうという話だ。
転移先の世界は六つあり、今回は比較的危険が少ない場所。青野でも問題ないレベルだ。
「とはいえ、青野も学生の身。学園には通い続けてもらう。十二日周期で一旦修業を切り上げてこっちに戻り学園に直行。授業が終わったら再び修業の日々だ。このサイクルを一年間続けてもらおう」
「あの、衣食住とかは?」
「それも心配ない。向こうに別荘がある。生活空間も整えてあるし、食糧も五年分はある。ちなみに向こうは無人だ」
「え? 人いないんですか?」
「ああ、現状確認されていない。人はな。……話もここまでにして行くか」
魔方陣の中央に青野が乗るのを家訓した俺は魔力を流し、術式を起動させる。魔力に反応し魔方陣が青白い光を放った。
一瞬の浮遊感。
いつの間にか閉じていた目を開けると、俺たちは鬱蒼と茂る森の中に突っ立っていた。
太陽は真上に昇り、木々の隙間から差し込む光が木漏れ日となって降り注ぐ。
都会では味わえない新鮮な空気が肺胞を満たした。
「すごい……ここが、異世界……?」
「こっちだ」
呆然と周囲を見回している青野に声を掛けて先に進む。
五十メートル程離れた距離に一軒のログハウスがある。ここが今日から青野が住む家だ。
二階建てであり中は吹き抜け式。一階がリビングとキッチン、個室が四部屋、トイレ、風呂場。二階には個室が五部屋、バルコニーとなっている。
「この家にある物は自由に使ってくれて構わない。さっきも言った通り、食料も五年分あるから好きに使ってくれ。聞くが、自炊は?」
「えっと、一応最低限は……」
「なら大丈夫だな。先生も色々と用事があるから、つきっきりで手取り足取りというわけにはいかないが……まあ、そこのとこ
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ