第二十話 空、靴
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
い、バルディッシュ。」
『Yes, sir.』
アリスが誠也にバルディッシュを向ける。
「バルディッシュ!?記録に残す気か!?」
『Recording complete.(記録完了)』
誠也はアリスとバルディッシュのやり取りの意味に気付いたのか、抗議の声を上げるも無視されてしまう。
「でだ。誠也、さっきの質問の答えだがな。」
和也が口を開き、誠也が取り乱しながらした質問について回答する。
「今のところ購入するのは難しいと思う。」
「な、なんで!?」
和也の答えに誠也は疑問の叫びをあげる。
和也はまた落ち着きをなくしかけていた誠也を落ち着かせる。
「落ち着け、あくまで今はだ。あれは現在、世界的人気を持っていてな、入荷の度にすぐ売り切れ続出の商品なんだ。」
「……嘘……だろ……。」
がっくりと肩を落とす。
ついに掴めると思っていた希望だけに、掴み取るのに時間がかかると言われ、思わずショックを受けてしまう。
「誠也……。」
アリスが思わずそうつぶやく。
誠也の落ち込みようは、傍から見ると今生の希望を失ったかのように見える。
とぼとぼと歩く背中は若いのにもかかわらず哀愁が漂っているような錯覚を覚えた。
「ええと、誠也君。なんだったらウィングドブーツ、融通してあげようか?」
あまりの落ち込みっぷりについ出てしまったのだろう。りんかがそう誠也に提案する。
「ほ、ほんとですか!?」
「う、うん。ウィングドブーツの開発企業とも縁があるから。」
目をキラキラと輝かせてりんかに迫る誠也に、やや圧倒されながら頷くりんか。
「ありがとうございます!」
「じゃあ、その代わりと言っては何だけど、後で一個だけ頼みを聞いてくれるかな?」
誠也の中に頷く以外の選択肢などない。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ