暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜無刀の冒険者〜
SAO編
episode6 恐怖と絶望の体現者3
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五分もの間、何の助けもこないのか。
 瞬間、俺の体がビクンと強張った。

 「言ったろ? ショウタイムはもう始まってんだぜ?」

 ―――イッツショウタイム。
 そう。奴はそう言った。その意味は。

 「きさまああああああああああああああっ!!!」

 理解した瞬間、脳から理性が吹き飛んだ。

 絶叫しながらPoHへと飛びかかる。恐怖も絶望も忘れて、怒りと動揺のままに叫んで掴みかかろうとするが、当然そんな無茶苦茶な動きで奴を捕えられるはずもない。

 ひらりとかわされ、腹をけり飛ばされて無様に転がる。
 体に鈍い痛みが走るが、そんなことはもうどうでもいい。

 「皆に、ソラになにをしたあああああああああっ!!!」

 再び絶叫し、弾けるように起き上る。だがPoHはにやりと笑って、「さあな」とだけ言う。それだけで、もう確定だった。俺と同じように、三人にも危機が迫っている。いや、もしかしたら。

 もしかしたら、もう。

 「くそっ!!!」

 脳裏に浮かびかけた、最悪の結末。

 それを無理矢理に頭で否定して、三人の元へと駆けつけるために足に力を込める。だが、その前には、入口を塞ぐように陣取ったPoH。迷っている暇はない。恐怖に竦んでる暇も、今は無い。あらゆるスキルを全開にして、その脇を走り抜ける。

 その隙に一撃をくらえば、俺は死んでいただろう。
 だが、どれほど注意を払ったところで、奴がその気になれば俺はもう避けられない。

 それだけの力の差が、俺と奴にはあった。

 しかし、無駄と分かっているのに、視線はpoHを追い続ける。
 その顔が、フードから覗いた目が、俺を見つる。

 「…っ…」

 交錯する、俺と奴の視線。
 その視線は、俺の醒めない悪夢に、いつまでも纏わりついた。



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