SAO編
episode6 恐怖と絶望の体現者2
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態に一瞬停止する。発動したソードスキルは、止められないはず。いや正確には出来なくはないが、そんなことをすれば硬直時間が、
「…!」
いや。できる。
奴の使った《ファッド・エッジ》は、『短剣』カテゴリではせいぜい中級のスキル。恐らくスキルをとっくにマスターしているだろう奴にとっては、そうそう硬直時間の長い大技では無い。キャンセルしても、そこまでの時間はかからない。いや、それ以前に。
あのエフェクトフラッシュが、既にキャンセルされた後のものなら。
「っうあっ!!?」
直後、強烈な斬撃が、俺の左腕を襲った。タイミングをずらされ、堪えようとした場所とは異なるところを激しく打たれた手甲が軋み、殺しきれなかった衝撃が俺の全身を吹き飛ばす。威力に乏しい短剣にも関わらず、一気に俺の体が壁際まで弾かれる。
慌てて起き上ってHPバーを見て、
「な……っ」
呆然とした。HPバーが、二割以上減っている。不意を突かれたとはいえ、手甲の防御の上からこれほどのダメージを抜いてきた。間違いない、強攻撃を一発でもまともに食らえば、俺のHPは吹き飛ぶ。そして、防具の耐久値。まだ八割以上残っていたはずのその値は、既に一割を切っていた。
バランスを崩されたとはいえ、たった一回打たれただけで、だ。
見やった左腕の手甲には、無残な罅割れ。
「……っ」
「いいぜ…。その顔だ。やっぱり獲物はその絶望した顔をしてくれなくちゃな…」
減った分を回復するために、高性能のハイポーションを煽る。その様子を、PoHがニヤニヤと笑いながら見つめる。奴は、まだまだ余裕を失っていない。対するこちらは、最高のスキルも、敏捷値の限界も、左手の防具さえ、全てを曝け出している。
圧倒的不利の状況の俺に、再びPoHの突進が襲いかかった。
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