SAO編
episode6 恐怖と絶望の体現者
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
略組』相手にだって対戦で負けたことは無い。
「…『攻略組』が怖くて、こそこそ低層フロアを這いまわるてめーらより、俺の方が強い」
にやりと笑って、拳を握る。体は、動く。例え最強の殺人鬼を相手にしても、俺は十分に戦えるはずだ。周囲を探る『索敵』スキル。既にマスターに達したそれでも、敵の伏兵はない、
一対一だ。…いける。
いや寧ろ、最悪のお尋ね者を捕える、絶好の機会とすら言えるだろう。
そう考えて、戦闘の構えをとる俺の前で、PoHが突然笑いだした。
「HA−HA−HA! 『攻略組』が怖い? 俺の方が強い? 傑作だ!!!」
ポンチョの裾から出た左手で頭を押さえ、可笑しくてたまらないと言うように笑う。そしてもう片方の裾から出た右手には、肉厚の赤黒い刃を持つ大型ダガー、《友斬包丁》がギラリと覗く。
(……だが、それも、悪くはない)
中華包丁のようなその特徴的な武器は、現在確認される最上級の鍛冶屋製作の短剣をはるかに上回る性能を持つ、いわゆる「魔剣」だ。だが、もとから避ける前提で戦う俺には関係ない。その形状の問題で突き技が弱体化する分、先読みがしやすいと言えるだろう。
耳障りな哄笑を意識から追いやり、冷静に分析する。
「お前は勘違いしてる! 滑稽な程にな! 教えてやるよ、『旋風』! お前が単なる獲物に過ぎないってことをな!!!」
なおも狂ったように高笑いを上げるPoH。
その体が。
(……っ!?)
ゆらりと揺れた。
傍目にはほとんど分からない、ほんのわずかな動作。
だが俺はその瞬間、背筋が泡立つほどの緊張感が体を駆け抜けるのを感じた。
来る。
「YA−HA−! イッツショウタイム!!!」
俺の判断とほとんど同時に叫んだPoHが、一直線に俺へと斬りかかった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ