第66話 =リクヤVSサウス=
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言葉を繋げようとした時、キリトの詠唱が聞こえ完成したかと思うと辺りが黒煙に包まれる。ここで思わずどこかへ行こうとするのは俺のどうしようもない本能なのか、逃げたいという気持ちが強いのか…。翅を震わせて上へと飛ぶ。少し飛ぶと黒煙の塊を抜け、キリトが見たことのある長刀を片手にその場に停滞していた。
「…二刀流か」
「あぁ…リーファのを借りた。一気に勝負を付ける…。そっちは?」
「ちょっと…な」
さすがに言いづらい…今戦ってた相手はリアルの知り合い、それも結構な頻度で会っていた知り合いだなんて…。言いづらそうな顔をしていたらしく俺を見たキリトはそのまま下を見た。するとその瞬間、巨大な怒声とともに煙が払われ大剣を持った男と巨大な盾を持った少女の姿が見える。
「…よし……決着をつけてくる…」
「おぅ、頑張れ」
キリトはニヤリと表情を浮かべると体をまっ逆さまにして急降下し始める。誰かがその姿を見つけたのか声が聞こえてその声に相手の将軍も上を見上げる。と、同時にサウスがこちらへ飛んでくる。
「……さっすが。あの剣技といい、リアルのお前からじゃとても「そんなことは今はいいよ…」…だな…」
「どうして……わたしの世界に…あのデスゲームのあとなのに……」
途中、言っていた『わたしの世界』というのは気になるが……今は、そのことを聞いている場合じゃないだろう。
「あいつを……ユカを救うため……だよ」
「VRMMOが…怖くないの?」
「怖いさ……今でも。あのゲームは終わったはずなのにいまだにHPが0になったら死んじゃうんじゃないかって…さっきのデュエルの『全損決着』を見たときもそう思った…」
「だったら……待ってればよかったじゃない。警察にも相談したり…」
「それじゃ遅いんだよ!!」
突然の声に一瞬体を振るわせるがそれを気にせずさらに口を開く。
「もう…嫌なんだよ…!あいつの病室に行って目を覚ましてるかもって希望を壊されるのも!このまま、手の届かない場所に行くのをただ見てるのも!!」
「…手の届かないところって?」
「結城って名前の人が代表の会社知ってるか…?」
「…レクトプログレスだっけ…。このゲームも、ハードもあの会社でしょ」
その言葉に素直に頷く。そこからは簡単にだけど話していった。内容的には「もうすぐユカが結婚する」というものだったが彼女はそれでも驚いていた。
「…そして、この世界で手がかりを見つけたから……やってきた」
内容を理解してくれたらしく小さく呟いた言葉に頷く。自分でもどうしてこんなにペラペラと話してるのかは判らない。でも話せてるというのは俺が美菜実に隠し事をしたくないって思ってたからだろう。
「…理由もいわずに隠してた
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