第三幕その三
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った。
「貴方」
「ここは話させてあげよう。あの娘の為に」
「それは」
反論しようとした。だが夫の顔を見てそれを止めた。父親の顔であるからだ。
「わかりました」
彼女は頷いた。それを受けてヴェルトナーはズデンカに対して言った。
「さあズデンカ、話しなさい。私がいるから」
「お父さん」
「私もよ」
アラベラはやはり側にいた。
「だから安心して。貴女は一人ではないから」
「ええ」
ズデンカは頷いた。そして再び語りはじめた。
「先程部屋の中で貴方に御会いした人は」
マッテオに向けて話す。マッテオは黙ってそれを聞いている。
「私なのです」
「えっ、じゃあ君・・・・・・いや貴女は」
「そうよ。貴方を騙したのよ。姉さんと偽ってね」
「何故そんなことを」
「それは聞かなくともわかるだろう」
ヴェルトナーがマッテオに対して言った。
「君も男なら。それ以上私に言わせるつもりかね?」
「いえ」
彼はその言葉に首を横に振った。
「わかりました。ようやく全てが」
「そうか。ならばいい」
ヴェルトナーは父の顔でそれに応えた。
「ではズデンカ、御前の責任の取り方はわかっているね」
「はい」
「それならいい。ではマッテオ君」
マッテオにも声を向けた。
「娘の愚かな行為を許してやってくれ。この愚かな父に免じて」
「いえ」
だがマッテオはここで首を横に振った。
「許されるべきは私です。何も知らずにこの様な騒動を起こしてしまいました」
「それは私が」
「貴女は関係ない」
ズデンカに対して言った。
「私が貴女に気付いていればこんなことにはならなかった。そして今私は貴女の気持ちに応えたいと心から思っています」
「じゃあ私は貴方の・・・・・・」
「そうです。これからも側にいてくれますか」
彼のその顔はもう親友への顔だけではなかった。
「親友として、そして私の生涯の伴侶として」
「はい・・・・・・」
ズデンカはそれを了承した。こうして二人の輪は出来上がった。
「私達も愚かなことをしていた」
「はい」
ヴェルトナーとアデライーデの夫妻はそれを見て目を伏せていた。
「ズデンカに対してあまりにも酷いことをしてきた。その罪は重い」
「はい、わかっております」
「だがこれからは二人の為に全てを捧げよう。今までの償いの為に」
「そうですね。これからはあの娘の幸せの為に生きましょう」
「うん、そうしよう」
マッテオとズデンカは固く抱き合っていた。そしてそのまま場の端へ向かった。
その場にいた全ての者が二人を祝福した。彼等は今その道を二人で歩きはじめようとしていた。だがその祝福の場で一人後悔の念に苛まれている者がいた。
「全ては私の早とちりだったのか」
マンドリーカは暗
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