第二十話
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ぶりになるだろう兄弟の対面を果たすことができた。
俺とて少しは背が伸びたしコノモール伯爵には逞しくなったと言われたが、兄上の凛々しく堂々としたその姿には、"かないっこないなぁ"という素直な諦めの境地です。
「よく無事で戻ってきてくれた。父上もいたくお喜びだったぞ。 それに大きくなったなぁ。 もう頭を撫でたりは出来ないな」
ガシッと俺を抱きとめて背中を叩いてくれた、そんな嬉しそうな兄上はその後手招きして一人の人物を呼んだ。
なるほど、あの人か。
「わたしはエスリン、あなたのお姉さんになったのよ。よろしくね」
淫乱ぴんk…もといエスリンはにこっと春の日差しのような温かな微笑と共に両手で俺の手を握って挨拶してくれた。
かわいいのでどきどきしちゃうな、俺の顔は赤くなってはないだろうか。
「…兄上、ご結婚おめでとうございます! そしてエスリン姉上、わたくしはミュアハと申します。
兄上をどうか今後ともお支えくださいませ。これから、どうかよろしくお願いします」
「うん、よろしくね。キュアンの言う通りとってもいい子みたいで嬉しいな」
「いえいえ、異郷にて暮らしていたが為、姉上のこと今日まで存じ上げなかったこと、ご成婚の祝いの品の一つも用意出来てなかったこと、お許しください」
「ふふふ。 ミュアハくんが戻って来てくれたのが一番のお祝いなのよ。キュアンもお義父さまもそれはもう喜んで」
「これからレンスターに戻るまでの道中、みやげ話をたくさん聞かせて欲しいな」
穏やかな微笑を浮かべた兄上はそう言い、俺と同道していたコノモール伯爵の一団と挨拶をした。
俺も伯爵に礼を述べ、彼らの一団と別れてレンスターへの帰路についた。
……レンスターに帰りついた。
3年かそこらしか離れていないというのに懐かしくて胸が熱くなった。
俺の為なのだろうか?王宮までの街路に人々の列があり、皆嬉しそうな表情を浮かべていた。
人々に手を振ると人々の声が聞こえてきた。
キュアンさまーご成婚おめでとうございますー、おめでとうございますー、ますー、ますー……
あw
そうなのねw
なんて思っていたら
ミュアハ第二王子のご帰還、おめでとうございますー!というのも、まばらに聞こえてきた。
合同のパレードみたいになってるんだなぁ。
こういう時は愛想よく手を振っておこう、でもこういうのは初めてだなぁ。
生きて帰ってこれたのもレンナートさんのおかげだな……
ゆっくりとした行進が終わり王宮へとたどり着くと、なつかしい見知った顔がいくつも見えた。
兄上とエスリンが父上に挨拶し終わるのを待ち、俺も父上に帰還の挨拶を行おう
「長らく王都を留守にし、申し訳あり
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