二十二話〜一人と一つの海中探索〜
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ていると魔力波に何かが引っかかり、その後すぐに、目の前をゆったりとした速度でイルカが通り過ぎるのが見える。
まさか……イルカ?
『イルカですねー。……可愛い……ってああ!? シャチですよ! しかもイルカを完璧にターゲットにしているようです! 助けましょう!』
「別にいいけどさ。ちゃんとイルカの動きは捕捉しておいてくれよ、ルナ。あいつから魔力反応がするからジュエルシードを持っている可能性が高い。いや、今なんとなくちらりとだが光った物が見えたから咥えてやがる」
そして、およそ……八メートル大のシャチに向けて先程のサメにぶつけたのと同じように電撃をぶつけるが、逃げる様子は無い。
「……さすが、海中の食物連鎖の頂点」
次に先程の電撃の三倍。比較対象で言えばシグナムと戦った際に俺の体に流した電撃の三分の一くらいの威力の電撃を流してやると怯んでどこかに逃げていった。
「……ふぅ。あの電撃でようやく逃げるか。しかも痺れた様子がないってのは中々シャチも嘗めちゃいけないね。……それで、ルナ。さっきのイルカはどこだ?」
『えーと……その……』
妙に歯切れの悪いルナに首を傾げていると、背中を何かでつつかれる感触がした。
振り返ってみた。
『マスターの真後ろにいます』
何やら後ろでスタンバっていたイルカがいた。
俺が戸惑っていると胸元に口を押し付け、何かをペイッと吐き出した。
「ジュエルシード……これをくれるのか?」
言葉が通じるかどうか分からないが聞いてみると、イルカは体全体を動かして頷き、そのままターンをしてどこかに去っていった。
手元には海中でようやく一つ目となるジュエルシード。
「さてと……。もういっちょ頑張るか」
『もう一踏ん張りですよ。マスター』
ルナからの激励を受けつつまた俺は水深四百から三百メートルにある海底を散策し始めた。
「……よし。これで三つ目だな」
『まさか水深五百以上潜る破目になるとは思いませんでしたね。これ以上の深さは私のプロテクションも少し保てるかどうか心配になる領域ですし……』
これ以上の深さに下がろうとすると、プロテクションがきしみ始めたのだ。
「そうだな……まあ、ここが潮時みたいだ。……魔力の奔流が上に向かっているだろ? 多分、今テスタロッサが無理矢理起こしたんだ」
魔力の奔流、つまりジュエルシードの居場所を確認するとやはり今俺達がいる場所よりも更に下からそれは溢れ出し、その原因となっているジュエルシードも上へと急速に向かっているのも感じる。
……ふと、今思いついたことがあるのだが、実行するかどうかで考え直してしまう。
『……マスター』
「言うな、ルナ。分かってる。……多分ルナと思いついたことは同じ
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