二十二話〜一人と一つの海中探索〜
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ことが出来たのか下に足場は見えない。
そして、まだ朝早く……午前6時なため、一気に体の芯が冷える感覚がするも、魔法で体温を元に戻す。
そのことを確認すると一旦水面に顔を出して、俺の事を誰も見ていないことを確認して、大きく息を吸う。
……それじゃ、探しにいきますか。
そして俺は海中に潜っていった。
潜れる所までバタ足で潜り、息が続かなくってきたところで自身に魔法を掛ける。
変体の魔法だ。
掛けると徐々に俺の体は変質していく。
両足は人魚のような足になり、
顔部分にはエラ呼吸出来るものがあり、
手にはヒレのようなものが着いていた。
「……よし、それじゃ急いで探しますか」
『……以前に変体って変身魔法と同じようなものと私が言ったことがありと思いますが、訂正します。こっちの変体の方が圧倒的に凄いです』
「そうかい。それは嬉しいね」
なにせ、この魔法は俺達闇精霊ならではのものなのだから。
俺は異世界で一度人間として死んでいる。
なら何故ここで生きているという話になるがそれは生き返らせてくれたのだ。俺の近くにいた闇精霊が。
その蘇生方法が俺とその精霊の体の一部を融合させるというものであるが、その際にその精霊はあろうことか自身の下半身ざっくりと斬って俺と融合させたのだ。
その蘇生方法は融合する二人の内、強い者の特徴を大きく反映するようになっており、だから俺よりも強かったその精霊の特徴を受け継ぐことになり、今の俺がある。
お陰で俺は精霊の特徴を大きく受け継いだ人間。半分人間で半分精霊な半人半霊が出来あったわけだ。
まあ、この姿になったお陰で人間だった時よりは便利な事が出来るようになったからその精霊には感謝こそすれど、恨む気は欠片も無かったのだが。
便利な事の一つとして例えば、この変体魔法がそうであり、俺の世界で闇精霊は、総じて悪戯好きな精霊の中でも特に悪戯好きな者という認識が根付いており、それを裏付けるように闇精霊のみが自らの体を自由自在に変えるような事が出来ていた。
だが、本来の精霊は肉体の全てを変体……例をあげれば、猫から象に変化するということが出来るのに対し半人半霊の俺が変体魔法をつかっても人間の姿から人間に似た何かに変体するのが限界だった。
だから俺は質量を大幅に無視して変体することは不可能なことであり、精々が魔力で体を補完して一回り程大きく出来る程度しか出来ないのだ。
そして、今回俺は海底。しかも話を聞く限りじゃ中々に深い所にある小さな物を見つけなければならない。
更に更に期限は今日の夕方より前、空が赤く染まる前にフェイトが雷を起こした瞬間がタイムリミットだ。
『マスター。急ぎましょう。急がなければフェイトちゃんが危険な目に遭います』
「……そ
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