第二章 A's編
第五十一話 『交渉』
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ッテは」
「そうか。とするとロッテが受けたのはシホ君のなにかの概念武装という奴か」
「おそらくそうだと思います」
「ふむ…」
これは困った事態だな。
これでは遅かれ早かれロッテの傷がばれてしまう。
対策を練らないとな。
ピピピッ!
そこに誰かから通信が入ってきた。
それに私は出てみると、
『こんばんはグレアム提督。シホ・E・シュバインオーグです』
「! シホ君か。どうしたんだい?」
ロッテとアリアが立ち上がるが手で静止して抑える。
『いえ、少しお話がしたくて電話をさせてもらいました。ちょっと今夜内密なお話があるんですけどそちらに伺ってもよろしいでしょうか?』
「大丈夫だが…シホ君、君は今は一人かね?」
『はい。“とても重要なお話”をしたいんですが…他に誰かがいたらそちらにとって色々と“都合が悪いもの”だと思いまして』
これは…。もう尻尾が掴まれているということかな?
「そうか。わかった。では今夜の何時頃に来るのかね?」
『すぐに伺わせてもらいます。家族にも帰りが遅くなると言ってあるますので大丈夫です。後、フィアは一緒に連れて行きます』
それは裏返せばシホ君とフィアット君に何かがあればすぐに行動が起こされるということだろうか?
これでは迂闊な行動も封じられてしまったに等しい。
リンディはかつてシホ君に交渉事でやりこまれたと聞いたが既に私もシホ君の交渉という名のテーブルに座らされているということか。
私はただただ承諾するしかできないでいた。
返事を返したらシホ君は電話越しでクスッと笑い、
『それでは今夜そちらに伺わせていただきますね。では失礼します』
そしてシホ君との通信は切れた。
切れた後も私は手や背中に汗を掻いているのか気が抜けたのか椅子にドカっと座り込んでしまった。
「だ、大丈夫!? 父様!?」
「あ、ああ。大丈夫だロッテ…」
「でもすごい汗ですよお父様!」
「平気だ。緊張してしまっただけだからな。それより二人共、シホ君がこれからこちらに来る。だから迂闊な発言は厳禁だ」
「わかった」
「わかりました」
これから気の遠くなるような会話をしなければいけないと思うと憂鬱な気分になるがなんとか乗り切ろう。
◆◇―――――――――◇◆
Side シホ・E・シュバインオーグ
通信を切り一息をつく。
これから交渉をしようというのだからやはり緊張するものだ。
クロノ達にまだ感づかれるのはまずいと判断してフィアに頼んで通信を繋いでもらったけどバレないかヒヤヒヤものだった。
それに転送室は今のところあるのはフェイト達の家だけだ。
だから怪しまれないようにしないとね。
「あ、フェイト。今夜ちょっとそっちに行っていい?
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