第十二話
[2/3]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
アリスはその魔界の出身であるらしいが詳しくは聞いてない。アリス本人も言わない事だし俺から聞く事じゃないしな。
「誰だったの?」
「アリスだ。魔界への里帰りのようだ」
「一ヶ月に一回のペースね。余程アリスの親は過保護なのかしら?」
「……かもしれないな」
俺はそう言って新しくかき氷を作るためにかき氷器に氷を入れる。
「誠ぉ私もねぇ〜〜」
「……いや魅魔は食い過ぎだろうよ。もうこれで六杯目だぞ?」
「悪霊だから大丈夫ぅ〜」
そう言ってはいるけどなぁ……。
「そういや霧雨は最近どうなんだ?」
俺は魅魔に聞いてみた。アリスと同じく魔法の森に住んでキノコを採取しているとか聞いたけどな。
「最後に会ったのは二年くらい前だね。もう私の弟子を卒業したんだ。便りが無いから元気なんだろうね」
「……放任主義というかあれだな……」
それが魅魔の性格なんだろうな……。てか霧雨はよく魅魔の弟子をしていたな。
「よぅ霊夢ッ!! 遊びに来たぜッ!!」
ん? 誰の声だ?
「誰だぁ〜って誰だ?」
「ん? お、霊夢の兄ちゃんじゃないか」
……服からして……多分霧雨だよな? けど前は魔女っぽかったよな?
『旧作魔理沙ではなくwin版魔理沙になってます』
「霧雨……か?」
「そうだぜ」
……何があった?
「どうしたのよ誠兄……って魔理沙じゃないの」
霊夢が境内にやってきた。それより霊夢は魔理沙と分かったのか。
「私はちょくちょく会ってるわよ」
「そうか、それより何で口調が変わっているんだ? 前はうふふふとか言ってなかったか?」
「河童といるちゆりとか言うの口調が移ったらしいわよ」
ちゆりとは昨年辺りに急に幻想郷にやってきた北白河ちゆりと岡崎夢美だ。よく内容は知らないが追放されたとかなんとか……。
そう言えば河童から去年の冬に炬燵を作ってもらう時に二人がいたような……。
「所謂イメチェンか……」
俺はそう納得した。この幻想郷は何が起こるか分からんしな。
「魔理沙じゃないか。久しぶりに修行でもしてやるかい」
「み、魅魔様ッ!? 何で此処に……」
「何だい? 私が此処にいちゃいけないのかい?」
「いや、そんな事は……」
魅魔がひょっこりと出てきたせいで霧雨が畏縮してる。
「なら修行するぞ」
「そ、そんな〜〜〜」
霧雨はそう言ってズルズルと引きずられて行った。
「……何だったの?」
「さぁ……」
霊夢の言葉に俺はそう言った。そして二日後、幻想郷は赤い霧に覆われたのである。
これが後の『紅霧異変』の始まりであっ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ