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ヨツンヘイム
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世界へと移動するためのトラップだったようだ。

 で、現在、ここに来て一時間。このほこらで脱出プランを考えている。

「ええと……脱出プラン以前に、俺は、このヨツンヘイムつう世界の知識ゼロなんだけどな……」

「俺もゼロだぞ、キリト。寝てる暇があるなら少しはマシな案を考えろ。プリンアラモードなんて夢で食ってないでな」

 そう言ってゲツガは考える。キリトは少し考えた後思い出したように口にした。

「たしかここに来る前、シルフの領主たちが言ってたよな。俺の手持ちのコイン渡した時、『この金額を稼ごうと思ったら、ヨツンヘイムで邪神をからないと』とかなんとか」

「あーそういえば言ってたな」

「うん、たしかに言ってた。……そう言えばキリト君はそのお金どこで稼いでたの?」

 聞かれたキリトは少しビクッとするとしばらく考えているのか黙っている。そしてぼそぼそと答える。

「あれは、結構前にやめてった友達に譲ってもらったんだ。前にこのゲームを相当やりこんで今はもう引退した友達から……」

「ふぅーん」

 リーファは特に疑ったりしなかったのでキリトは安心したように息を吐いた。そしてリーファはキリトに話題を戻して聞いた。

「で、なんだっけ、サクヤの台詞がどうかしたの?」

「あ、そういうことね」

 ゲツガはキリトが言いたいことに気付きニヤッとする。リーファはまだ分からないらしく聞いた。

「ねぇ、どういう意味よ」

「いや、領主さんがああ言ってたことは、このフィールドで狩りをしているプレイヤーもいるんだよな?」

「いるにはいる……いるみたいね。もしかして、そのプレイヤーに助けてもらうって事?」

「まあ、そういう感じ。さっきのモンスターみたいに一方通行ルートじゃなくて、双方向で行き来できるルートまで案内してもらおうってこと」

「まあ、それもアリね。あたしはここが初めてだから知らないし、ここにいるプレイヤーに聞くほうが確実だしね。じゃあ、とりあえず出口にいかないとね」

 そう言ってリーファはマップを開く。

「たしか出口がこことこことこことここあたりにあるはずだから……私たちがいる場所がここだからこの出口に行けばいいね。でも……」

 リーファは肩をすくめて付け加える。

「各階段には邪神が守護してるのよ」

「その邪神ってどのくらい強いの?」

 のんきなキリトにジロっと睨んでからリーファは答える。

「いっくら君やゲツガ君が強くても今回ばかりどうにもならないわよ。噂じゃ、このフィールドがオープンした直後に飛び込もうとしたサラマンダーの大パーティーが、最初の邪神にサクッと全滅したらしいわ。ちょっと前に君たちが苦戦したユージーン将軍やバルダも邪神を相手に十秒も
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