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渦巻く滄海 紅き空 【上】
四十八 木ノ葉崩し
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で済んだ事に安堵し、彼らは会場を後にした。

かくしてうちはサスケ暗殺の目論みは本人も知らぬ間に中止されたのだった。










一変した会場の有り様にサスケは動揺した。もはや試合どころではない。
あれだけ煩わしかった観客の喧騒も今は途絶え、聞こえるのは刃物と刃物が搗ち合う音のみ。最も慌ただしい屋根上を見上げていた彼は、我愛羅の声で視線を対戦場に戻した。

何時の間に来たのか。我愛羅の傍にいるテマリとカンクロウに眉を顰める。未だ自分を殺そうと躍起になっている我愛羅を宥める姉兄の姿に、サスケの胸がズキンと痛んだ。
敵と言えど、きょうだい仲を見せつけられた気がして視線を逸らす。

我愛羅達の担当上忍であるバキが三人を逃がすのをただ見ていたサスケは、試験官のゲンマに彼らを追うように急き立てられ、会場を後にする。
胸の痛みを気にしないふりをして。











里の騒乱が此処にまで聞こえてくる。
中でも発祥地である本選会場に彼は目を向けた。【念華微笑の術】で連絡をとる。

『どうなった?』
『もう追ってる!』
間髪容れずの返答。今正に対象を追い掛けているだろう彼女の答えに、ナルトは会心の笑みを浮かべた。

『そっちはどうだ?』
『追跡中です』
やはりすぐさま返ってきた返事。事前に伝えておいた通りの行動をしてくれる二人に感謝しつつ、改めて一任する。
『引き続き頼む。香燐、君麻呂』


一通りの連絡を終えたナルトがおもむろにしゃがみ込んだ。置き去りにされた杖を拾い上げる。
ダンゾウが蛇だと思い込んで杖に突き刺したクナイ。それを抜き取って、いきなり背後に投げ打つ。
クナイは崖を立ち去ろうとしていた者の足下に突き刺さった。

「殺気を出してくれて感謝するよ」

ダンゾウに殺気を放った張本人。この場を窺っていた、いや自身をずっと監視していた者に礼を述べる。

「だが今は時間が無い。また後で会えるかな?」
穏やかだが有無を言わさぬナルトの声音に、彼は立ち竦んだ。一瞬の間を置いた後、無言で立ち去る。


物言わぬが了承の意を返した相手に、ナルトは僅かに目を細めた。崖から里の様子を遠目で確認する。
「さて…どうする?――――――三代目火影殿」

先を見据える青き双眸には、無量の感慨が秘められていた。














我愛羅達を追い掛けて行ったサスケ。音忍と交戦中にも拘らず、カカシは教え子の動向をしっかり捉えていた。
自ら幻術を解き、観客席で蹲っていたサクラに声を掛ける。
「サバイバル演習で幻術を教えた甲斐があったよ。お前にはやはり幻術の才能がある」

とうに幻術から覚めていたサクラを一瞥した後、カカ
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