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アラベラ
第二幕その三
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デライーデもそれを聞いて微笑んだ。
「それでは安心ですわね」
「はい、あの方は素晴らしい方です」
 彼はうっとりとした眼差しでこう言った。
「姿だけでなく心までも素晴らしい」
「それは買い被りですわ」
 アデライーデは娘があまりにも褒められているので恐縮してしまった。
「いえ、私はそうは思いません」
 だが彼はそれを否定した。
「私は決めました。あの方を妻に迎え入れたいです。そしてあの方もそれを受け入れて下さいました」
「まあ、それは」
「そして貴女と貴女の御主人をこれからは父、そして母と御呼びしたいのですが。宜しいでしょうか」
「喜んで」
 彼女はそれを受けて静かに頭を下げた。二人もまた来たるべき幸福を楽しみに待っていたのであった。

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