第五話
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第五話 ふと気付いた謎
華奈子はふと気付いたことがあった、それでこのことについて美奈子とお風呂に入って身体を洗い合っている時に言ったのである。
「ねえ、今田先生と今日子先生ってね」
「お二人がどうしたの?」
「お幾つかしら」
気付いたのはこのことだった。
「一体ね」
「そういえばお幾つかしら」
美奈子も双子の相方の身体を洗いながら言う。
「そういえば」
「美奈子も知らないわよね」
「ええ、天本博士は二百億歳らしいけれど」
「人間の年齢じゃないわよね」
地球は五十億歳だ、二百億となるとビッグバンだ。
「まああの人は常識の外にある人だから」
「人類に区分出来るかどうかも不明よね」
「地球生まれじゃないみたいだからね」
道教の書では老子は宇宙開闢の頃からいるとされることがある、ここまでくると話は壮大になりとんと見当がつかない。
それで華奈子は博士のことは置いておいて言うのだ。
「とにかくね」
「ええ、先生達よね」
「本当にお幾つかしら」
「レディーの年齢は詮索したらどうかだけれど」
「それはそうだけれどね」
華奈子もそれはわかっている、だがそれでもなのだ。
「それでも気になるのよね」
「好奇心なのね」
「そう、それ」
まさにこれに由来することだった。
「どうしても気になるけれど」
「気持ちはわかるけれど」
美奈子は華奈子を宥めにかかった。
「あまりそういう詮索はね」
「よくないからなのね」
「そう、止めましょう」
「その方がいいかしら」
「いいと思うわ。変な詮索はしない」
妙齢の女性の年齢の詮索は、というのだ。
「確かに気になるけれどね」
「魔女だし実際の年齢は」
「そう、誰にもわからないからね」
「じゃあわからないままでいいのね」
「美魔女かも知れないけれど」
外見の年齢と実際の年齢は全く違う美女のことだ。例えば吉永小百合さんだがこの人は最早規格外である。
「とにかくね」
「わかったわ。じゃあ」
華奈子も詮索を止めた、これで二人の話は終わった。だが終わったのはあくまで二人だけのことでしかなかった。
第五話 完
2013・1・28
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