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国連宇宙軍奮闘記
冥王星会戦(前編)
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「3番荷電粒子砲、動力停止!」
次々に損傷が伝えられる。
「ダメージコントロール、隔壁閉鎖並び動力回路修復、急げ!」
近藤大佐が必死に艦を立て直そうとした。


――冥王星付近 国連宇宙軍旗艦・戦艦『えいゆう』右舷第4デッキ――


 右舷第3デッキが被弾した影響で艦内の固定されていない物が流されていた。
 固定されていない物とは移動式の補修材に破損した部品、そして人間だった。
 彼は被弾の衝撃で死ぬことは無かったため必死に流されまいとした。
「待ってくれー!」
 だがそんな彼の前で無情にも隔壁が閉じた。


――冥王星付近 国連宇宙軍・突撃艦『ゆきかぜ』艦橋――


“ワレ操舵不能、戦列を離れる!”
“こっちの主砲じゃ歯が立たない!”
“『あたご』がやられた。”
“う、うわー!”
 通信機から味方の悲鳴が聞こえる。
「敵は圧倒的なようです。」
 通信は敵に艦隊がボロボロにされていることを告げていた。
「待ち伏せを受けたのか、転舵反転!」
 状況を理解した古代艦長がすぐさま命令した。


――冥王星付近 国連宇宙軍旗艦・戦艦『えいゆう』機関室――


「消火班急げ!」
 機関員の声が響く。
「頑張れ、出力を維持させるんだ、プラズマ漏れに気をつけろ!」
機関長の徳川が全員に言う。
「親父さん、こっちは何とかしたよ。」
 すぐそばのハッチから出てきた機関員の薮が報告する。
「だけど出力低下が止まらないよ、このままじゃエンジンが…」
「大丈夫だ。」
 藪が弱音をはこうとすると徳川機関長がそれを遮り問題が無いように言う。
「え!」
 思わず藪が驚きの声を上げる。
「この艦は沖田提督の乗艦だ、沈まんよ。」
「それに、儂らが沈めさせるものか!」
「さあ、ぼやく為じゃなくどうするべきかのために頭を使え。」


――冥王星付近 国連宇宙軍旗艦・戦艦『えいゆう』艦橋――


「沖田提督、味方艦艇の損耗率60パーセントに到達しました!」
「うむ。」
 報告を受けた沖田提督がうなずく。
「沖田提督、このままでは…。」
近藤大佐が複雑そうな顔をしながら言った。
(奴等にはこの船では勝てない。)

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