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ソードアートオンライン アスカとキリカの物語
アインクラッド編
攻略開幕
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い。
まあ、レイドパーティー全員にばっちりと聞こえるほどの声量だったので当然ではある。
そのせいで〈風林火山〉の面々に少しだけ哀れみの籠もった視線が投げかけられている。

「連絡するだけならクライン1人と登録しているだけで充分だろ」
「別に登録しても不便な点があるわけでもねぇんだから、いいじゃねえか。おめぇさんにはサチさんみたいな優しさがねえのかよ」
「あんな対応されるって分かりきっていたから止めてたんだろ」
「まあ、ちょっと熱烈過ぎるかもな・・・・」

アスカもキリトの気持ちが分からないでもない。

アスカもしょっちゅう町中で女性プレイヤーから急にフレンド登録を申し込まれることがある。
向こうが一方的にこちらのことを知っていることが大半なので丁重にお断りしているが、休みの日に1人ゆっくりとしたい時に多くのプレイヤーに囲まれたりするのは気分が良いとは言えない。

「だろ?」

めずらしくアスカが同意したからか、キリトが意を得たりといった顔をする。

「なんだよ、アスカまで裏切りかよ」
「・・・・いや、俺も何度か煩わしく思ったことがあるんで・・・・」
「ふーん・・・・モテる男も大変だってことかー・・・・・・。良かったなクライン、全然モテなくて」

意地の悪い笑みを浮かべたキリト。
かなり失礼なことを言っている。

「ぐはっ!! キリトてめえ! ひ、人が気にしていることを―――」
「元々の容姿もアスカに惨敗してて服装もなー。どう考えても〈血盟騎士団〉の騎士服の方が格好いいし」
「―――どごふっ!!」
「せめてそのビミョーなセンスのバンダナとダサい無精ひげは止めた方がいいぞ。サチも似合ってないって思うだろ?」

急に話題を振られたサチが焦る。

「へっ!? ・・・・いや、その・・・・趣味は、人それぞれだと、私は思うよ・・・・?」

サチの言葉がトドメだった。

「・・・・・・みんな、後は頼んだ・・・・・・」

ドサッ、と擬音が聞こえそうな感じでクラインが倒れた。

「「「「リーダーっっ!!!」」」」

泣きそうな顔したギルメンが生気の抜けたクラインを抱える。

「・・・・サチ、今のは全然フォローになってない・・・・」

ケイタが屍と化したクラインを見ながらポツリと呟いた。

「・・・・はあ・・・・・・・」

いつも〈血盟騎士団〉の面々と寡黙に毅然とした様子で歩く自分たちとあまりにも違う目の前の光景に、怒りたいのか呆れたいのか、よく分からなくなったアスカも溜息を付いた。

そんな平和(?)なやり取りが迷宮区に入るまで続けられた。




「じゃあ、頑張ってこいよ」
「そっちもな」
「クラインさんも気をつけて」

後発のクライン達とボス部屋に最寄り
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