SAO編
episode5 手に入れたモノと二人の一歩目2
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故か上目遣いで両手で受け取りやがる。なんなんだホントに。
「……」
「……」
「……」
「……えっと、えっとねっ!」
何分たったか。俺の見つめる先で、ソラが意を決して口を開いた。
同時に右手を振って、二つのアイテムをオブジェクト化する。
一つは、細剣。『鑑定』スキルで見るとプレイヤーメイド、銘は、《フラッシュフレア》。赤く輝く刀身は、まるでそれ自体が炎を纏っているかのようで、相当のスペックの高さが覗える。そしてもう一つは、手甲、《フレアガントレット》。細剣とは比べ物にならないほどマイナーな装備品だが、こちらも同様の素材アイテムを使っているようで、揃いの赤い輝きを放っている。
…素材アイテム。これって確か。
「……《フレアライト・インゴット》。なるほどこれが目的だったのか」
現在見つかっている金属の中で、軽量なスピード系では最高峰の素材であるこのインゴットは、『炎霊獣の魔洞窟』のモンスターが低確率でドロップするアイテムだ。レベル上げは名目で、本当の目的はこっちだったのか。こくんとソラが頷く。手に取った手甲は十分に軽く、俺でもなんとか装備出来そうだった。
「…よく鍛冶屋が引き受けてくれたな」
「う、うんっ! 『風林火山』の人たちが分けてくれたからっ、ノルマよりいっぱい取れたのっ! 余ったのプレゼントしてきたんだ! で、でねっ、」
そしてまた、言い淀むソラ。
ああ、なるほど。
そうか。
そういうことか。
苦笑して、続きを、俺が口にする。
「おそろい、だな。二人。」
「う、うんっ! そうっ! 二人で、おそろなの! おそろ、に、したいねっ、て、ねっ!」
嬉しそうに、でも恥ずかしそうにソラが笑う。
だんだん読めてきた。
というか、分かってしまった。
(クラインの野郎……)
ソラが、なおももごもごと何かを言おうとするが、はっきりと言葉にならないままに赤くなり、俯いてしまう。らしくないようなその仕草も、俺の予想通りなら納得できるというものだ。
そして。
こういうときには、男が言わなければならないのだろう。
(…うっし……)
決心した瞬間、急に心臓が早まった。いや、この世界では脈拍が早まったりするのを感じることはできないから比喩表現なのだが、そのくらいに俺の緊張感が高まった。
だが、決心が鈍らないうちに、やってしまわなければならない。俺は右手をふってウィンドウを呼び出し、とあるアイテムをオブジェクト化する。ああクライン、お前の言うとおりだ。この上なく、「使い道のある」アイテムだよ、こいつは。
「ソラ」
「ひゃいっ!? な、何かなっ!?」
「これ。俺から、プレゼント
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