SAO編
episode5 手に入れたモノと二人の一歩目
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開したいと思う所があるのだろう。だが、それはそう簡単に出来ることではない。だからこそ、強さがほしいのだろう。まったく、本当にいい奴らだ。
「うおらあああっ!!!」
日頃の憂さを晴らすかのように刀を振りまくるその姿は、さながら夜叉のようだ。バンダナで逆立てた髪は、いわゆる「怒髪天を突く」ってやつか。
「うらあっ、とどめっ!!!」
そして、最後の一撃。
首筋に吸い込まれるように入った紅いライトエフェクトを纏った一撃が、ボスのHPの最後の一ドットを消し飛ばす。瞬間、巨大な竜が、七つ目までの溶岩に吸い込まれるような倒れ込みとは異なる、激しい痙攣をおこす。
ひとしきり暴れた(ちなみにこの時飛沫となって飛び散った溶岩にはダメージ判定があった。最後っ屁、ってやつだろう)後、苦しげに一声呻き、直後、無数のポリゴン片を残し、派手な音を立てて爆散した。
おおー、とか、よっしゃー、とか、ぶらぼー、の歓声が上がる。ひときわテンションの高い声は、間違いなくソラだろう。若干棒読みなのはレミか。俺も、大きく息をつく。うん、今回の戦闘は文句なし、百点満点だろう。それぞれの特徴を生かしての完璧な戦闘、そしてアイテムも無駄な消費は一度もなかった。毎回こうならいいんだがな。
まあ、ありえねーけどな。
「おおっ!!!」
しみじみと感慨にふけっていた時、一人の歓声が上がった。爆散したポリゴン片の中から、一本の剣…いや、カタナが出現したのだ。おお、初めて見る演出だ。今まではドロップするというクエストはあれども、それは撃破後に普通にストレージの新規入手欄に入っている、というものばかりだった。
「よっしゃああっ!!!」
輝きながら一つの飛び石の中央に漂うそのカタナを、クラインが意気揚々と掴む。皆がそれを盛大な拍手で迎える。クラインも、「やー、どーもどーも!」とかノリノリで、ファーは指笛まで吹き鳴らしていた(ちなみになかなか上手かった)。
とにかく。
こうして俺達の『炎霊獣の魔洞窟』探検は、ハッピーエンドで終わりを告げたのだった。
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