イゼルローン哨戒任務
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者はいない。
「あれ?
これ、もしかしてフラグ?」
偵察任務開始から一ヶ月後。
単独行動をしていたソヨカゼV39は、偵察衛星からの報告で数隻からなる船団を発見する。
戦闘配置を取ったソヨカゼV39クルーの緊張の糸を切ったのは、偵察衛星を管理していた准尉の報告だった。
「確認取れました。
フェザーンの民間軍事会社所属の船団です。
司令部からも航路予定が確認されています。
巡航戦艦一隻、巡航艦二隻、駆逐艦二十隻、輸送船二十隻の規模で、衛星が捕らえたのはその本隊と思われます。
巡航戦艦一隻と同盟型旧式駆逐艦十隻と中型輸送船二十隻を確認」
民間軍事会社と言えば聞こえはいいが、つまる所傭兵である。
同盟と帝国の敵意をまともに受けたフェザーンは軍備増強に走るが、軍備は基本的に金食い虫である。
それを傭兵という形にして同盟と帝国に売り込むあたり商人国家としてのしたたかさがあるというか。
さすがに同盟と帝国を股にかけるような傭兵の雇用契約はフェザーン国家としてさせていないが、フェザーンは同盟と帝国それぞれに大体一個艦隊規模の傭兵船団を送り込んでいた。
このあたり、国力が増えた結果同盟帝国双方から警戒されて、情報を流して漁夫の利戦略が取れなくなったフェザーン苦渋の選択だというのを知る者は少ない。
双方に兵を派遣して、それによって戦争をコントロールしようとし、更なる悪循環に陥っていたりするのだが、ひとまずおいておく。
その為、互いに艦の識別をつける為、同盟は緑、帝国は藍色、フェザーンは黄色のカラーで船体を塗っていたりする。
なお、フェザーン艦隊の主力艦である巡航戦艦というのは大気圏降下能力がある帝国戦艦をベースに、装甲を削った代償に速力と火力を強化した戦艦で、傭兵らしく弱い敵をいじめて、強い敵からは逃げるというコンセプトの元に作られている。
この船は帝国内部の反乱や海賊襲撃において大いに効果を発揮し、今では海賊の御用達とまで言われるほどのブランドを持っている。
なお、この巡航戦艦を相手に煮え湯を飲まされた帝国が作り出した切り札が高速戦艦だといえば、その脅威もわかろうというもの。
「艦長。
フェザーン船団の指令から通信が来ています。
繋ぎますか?」
「繋いでくれ」
准尉が通信を繋ぐと、モニターには同盟軍服を着たフェザーン船団の司令官が同盟式の敬礼をしてみせた。
こんな所をうろうろする以上、所属ははっきりさせる必要がある訳で、この船団は同盟軍と契約して同盟軍の指揮系統に形上は組み込まれている事になる。
「はじめまして。艦長。
民間軍事会社カウフ・セキュリティ所属、同盟契約船団指令のアレクセイ・ワレンコフ代将相当官です」
「自由惑星同盟
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