SAO編−白百合の刃−
SAO34-それぞれの一日
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もずっとな」
それでいい。
「そうでないと困るわ」
元教え子でも成長して強くなっていることは笑ましいことだわ。これからもずっと強くなって、そして生きてお家に帰ることを強く願っているわ。
「さて、そろそろ来るかしらね」
「ん、誰かくるのか?」
ナリヤの疑問に答えるようにコンコン、コンっと、三回叩いた音が鳴る。
「グッドタイミングね。入っていいわよ」
「失礼します」
部屋の中に入ってきたのはここにいる人なら誰もが知っているプレイヤー。
「おわっ!? あ、アスナ――っ!?」
「アスナ君!?」
「ええ!? な、ナリヤ君に、ルージュさん!?」
知っているからこそ、三者同様に驚愕していた。それは三人は誰が来るなんて知らなかったから、まさか知っている人がここに来るとは思いもしなかったのだろう。ナリヤはわたしに用があったからルージュとアスナも訪れることは知らない。ルージュとアスナはわたしが呼び寄せたけど他に来る来客のことを教えていなかったからそうなったのね。
さて、ここで顔見知りのプレイヤーに出会った縁を剥がそうとするのは野暮だろうけど……仕方ないね。
「はい、アスナが来たのでナリヤとルージュはご退場をお願いするわ」
「え? ど」
「アスナと二人っきりの話をするからよ」
誰でも急に思い浮かべていないことを言われると戸惑うことも承知。なので、すかさず理由を告げる。後は少し時間を経てば自然と受け入れつつ納得もする……はず。
「そういうことだから、じゃあね」
「おい、ちょっと待て! 俺は聞きたいことがあるのに聞けず退場できるか!」
「あれ、言ってなかったっけ?」
「言ってねぇよ! 俺はお茶して駄弁りに来たんじゃねぇよ!」
「でも楽しかったでしょ?」
「うっせ!」
じゃあ、ナリヤは楽しかったってことでいいね。なんて言うと怒るから、言いたいことを言ってもらいましょうね。
「それでナリヤはわたしに何を聞きたいの? 恋愛相談だったら応援するよ」
「そんなことでわざわざこんなところにこねぇよ」
「失礼しちゃうわね」
ナリヤは何を思ってか、呆れつつため息をつく。空気を変えるように一息ついた後のナリヤの表情は真剣そのもの。まるでこれからわたしに斬りかかろうとしそうなくらい鋭い目でわたしを見つめていた。
「この前のことだ。キリトVSヒースクリフが戦ったことだ」
「あら、ヒースクリフの活躍を見ていたのね。かっこよかったでしょ、ヒースクリフ」
「ノロケはいいんだよ。俺が言いたいのは、キリトと戦っていた時のヒースクリフの動きが“妙”だったってことだよ!」
「妙?」
ナリヤの口から出たキーワードは“妙”の一言。
「それはどういう意味?」
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