SAO編−白百合の刃−
SAO34-それぞれの一日
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か、「俺はコーヒー派だから、紅茶は知らねぇ」と拗ねてしまい、ブスッとした|形相で視線を反らしてしまった。
「でも、俺はそんなナリヤのこと好きだぜ」
「うっせ」
「それに可愛いし、愛嬌がある」
「やめろ」
ルージュが拗ねたナリヤを褒めつつ手を伸ばして頭を撫でようとするも、差し伸ばした手は払い除けている。
なるほど、耳にした通りの人だわ。
ルージュ。『ソロ十六士』と言う、ソロの中でも飛び抜けて十六人の中でのまとめ役。見た目通りの好青年で人当たりもよく、一時的に多くのギルドから助っ人として参加するなど攻略組の中でも頼れる人材。正統派の片手剣士ヒットアンドアウェイのお手本となる程の安定感のあるバランスの良さがルージュの強みだと聞いている。
それに加えて彼にはもう一つの噂がある。
「つか、よく好きとか可愛いとか男に向かって平気で言えるよな」
「そうか? 俺は心の底から可愛いと思うし、好きだぜ」
「やめろ気持ち悪い!」
「その反応、可愛いな。やっぱナリヤは可愛いよ」
「だから! それをやめろって言っているんだよ! 今すぐに、喋るな!」
怒鳴りながら引いているナリヤに対して、その原因であるルージュは至って純粋で微笑んでいた。まるで人間独特の汚れを知らない無邪気の子供のように。でもそれがナリヤにとっては恐怖しかないのがわかるわね。
噂に聞いていたけど……そっち系の匂いが全面的に漂わせているわね。一応……まだ、そっち系の人ではないのよね。そこのところはわからないけど、背中を軽く押すだけで行ってしまいそうだわ。
でも、面白い人。わたしは好きよ、個性があることは素晴らしいわ。
「ふふっ」
「……なに笑っているんだよ!」
「面白いからよ」
「俺は面白くねぇんだよ!」
ナリヤはソロになっても、『ソロ十六士』と呼ばれる一人になっても、血聖騎士団に入っていた頃から変わらないわね。変わったのは前よりも強くなったことからしらね。
ドウセツと同じくいろいろと問題を起こしていたけど、訓練やわたしと一対一の訓練は真面目に受けていた。盾無しの片手剣を起用に右持ちと左持ちを切り替えて戦うスタイルは新鮮で、独特の感覚が彼の強さを持っている。血聖騎士団にいればその強さに磨きがかかるから張り切っちゃったけど、いろいろあって脱退してしまったことはちょっぴり悲しかったな。でも、あの日の彼が決断した瞳は一度も見たことがなくて、いつか見て見たかった目をしていた。そんな彼を止めるのは無粋よね。
何はともあれ、ナリヤが元気なだけでわたしは嬉しいわ。
「たく……」
ナリヤは頭を掻きながらぶっきらぼうに口にする。
「なに考えているか想像つくけどよ。俺は前よりも強くなっているからな。入っていた頃より
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