SAO編
episode4 祭りの終焉2
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「おら、主役。音頭をとるのはお前だ!」
「じゃ、じゃあ、クエストのクリアを祝って…、」
「馬鹿野郎! 祝うのはおめーの勝利に決まってんだろうが!」
いきなり乾杯の音頭を任されたキリトのセリフを、既に幾分か酒の回ったクラインが煽った。
クエストを攻略したその日の夜、祝勝会と称してとある酒場の一室に集まったのは、合計で十四人だった。森で手伝ってくれた『風林火山』の八人、そして『冒険合奏団』の三人に、店やらイベントの手配をしてくれたエギル、主役たるキリト、そして俺で十四人だ。
結構な人数だが、この世界では珍しい「貸切での宴会」が可能なNPCショップを見つけてくれたエギルのおかげで、全員が大声で騒いでいる。
「いや、だって、」
「気にすんなって、勝ったのはお前だろ? 反則まがいの妨害があったかもしれんが」
「……やっぱ怒ってんじゃねえか、シド」
結果は、タイム自体は同時だったものの、先に店に到着したのはキリトと認識されたらしい。景品の特大サイズの《ルビー・イコール》はキリトのストレージに入り、通常の三十分切りの景品としては上質なコーヒーの素材(しかも結構大量)が貰えた。いや、まあ敏捷一極として、悔しく無い訳じゃあないが。
「まあまあ! クエストもクリア出来たし、何より楽しかったよっ!」
「……いい仕事、した」
「すごかったッスよ!」
ギルドのメンバーの異常なテンションの上がり具合を見てると、悪く無いかな、という気もしてくる。特にソラのハイテンションっぷりは、そのまま机の上で踊りだしたりしないか心配になるほどだ。やたらと慣れ慣れしく絡みついて来て、バシバシと肩を叩いてくる。
「にしてもオメェ、あの走りっぷりはなんだよ!? バランス型じゃなかったんか?」
「いや、あれはコツがあって…」
「聞きたい聞きたい!」
「俺も興味あるな!」
ふと見れば、キリトの方はどうやら知り合いである『風林火山』の面々とグラスを傾けながら議論していた。今回間近で見て、俺にはあの走りは本来敏捷の補正しか起きない「平面での走り」を、筋力値が作用する「跳躍を使った移動」をしたようにシステムに錯覚させたのではないか、という仮説を考えている。確かにその方法なら単純な移動速度を筋力優位の面々が大きく上げられるだろう。
まあ、キリト以外に簡単にできるとは思えないが。
「おう、お疲れさん」
「ああ、エギル。いろいろとありがとな。よかったのか? ここの料金お前が持つんだろ?」
「心配ねえぜ。おかげさまで、随分稼がせてもらったんでな」
歩み寄ってきたエギルは、自分で言うように相当に儲けたのだろう、笑顔を堪え切れていない。それでもホストらしく皆のグラスの残量を気にかけているの
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