ただいま
[8]前話
「哲也、哲也!!!」
母さんが必死に俺の名前を呼ぶ。目を開けると、そこは病室だった
俺は、帰ってきたんだ・・・・・
「よかったぁ!」
母さんだけでなく、父さんも、俺の無事を喜んでいる
日付は、俺が事故にあった日から3日後になっている。本当に2泊3日だったんだな
ガラッ
「哲也!」
病室に入ってきたのは、俺の彼女、彩だ。
思い出した。3日後までに届けたかったものは、彩の誕生日プレゼントのネックレスだったんだ
「哲也、私だよ、彩だよ。わかる?」
「・・・・あぁ・・・・・」
かすれた声で、俺は言った。
思うように体が動かない。それでも、声は何とか出た
「誕生日プレゼント、ありがとう・・・・」
「あぁ・・・・・」
知らなかった。こんなにも、俺のことを大切に思っている人がいるなんて
知らなかった。こんなにも、いきてることがすばらしいなんて・・・・・
1ヵ月後
俺は、天国での出来事を、人に話してみた。「本当なの?」と聞かれたときは、「嘘だよ」と答えた。あくまで、自分の想像として、みんなに話した
特に、子供に話してみると、子供は目を輝かせて、俺の話を聞いてくれる。子供と仲良くなったのは、正直意外だったなぁ・・・・
そうそう、まだこのことを話していなかったな。実は、あの後、幸福の石と笛が、自分のポケットの中にあったんだ
もう吹いてもペガサスはやってこないけど。とりあえず防犯笛として使っている
幸福の石は、後に削ってもらって、ネックレスと、キーホルダーにしてもらった
今でも、通学用のかばんにつけている。
ネックレスは、彼女にあげた。誕生日用とあわせて、彼女のネックレスには二つ石がついている
今は、平凡かな。石のおかげかどうかはわからないけど、幸せだ
俺は天国を旅した。2泊3日で
次行くときは、死ぬときだろうな
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