第四十話
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ところだ。
「……しまったな」
新聞の見出しを見てつい独り言を口から漏らしてしまう。
新聞の写真を見てみると、アスナを始めとする《血盟騎士団》の連中に混じって、横の方に日本刀を腰に差している黒いコートを着た人物がいるのだ。
……つまり俺だ。
白い制服の《血盟騎士団》の連中の中にいるため、悪目立ちしていることこの上ない。
「ごちそうさま」
簡素な朝食も食い終わり、新聞も他に興味をそそる記事があるわけではなく、新聞をクナイの練習がてらゴミ箱に投げ入れ、とりあえず用事があるので隣の店――《リズベット武具店》へと歩を進めた。
まだ朝のために《リズベット武具店》の入り口にかかっている表示は《closed》という表示になっているが、急いでいるのかリズのファンなのか、開いてないドアの前に二名ほどの男性プレイヤーが座り込みをしていた。
座り込みをしているプレイヤーに横入りすいませんね、と心の中で謝ると、プレイヤーたちに気づかれないように《リズベット武具店》の裏口のドアを開け、彼らより先に店に入ることとなる。
「おはよーショウキ」
「ああ、おはよう」
店員NPCのハンナさんと共に、開店準備に奔走しているのか重そうな箱を持ったリズに挨拶され、挨拶を返すと同時にリズの持っている箱をひったくった。
「こういうのは俺の仕事だ……いつものところで良いんだろ?」
「うう……そうね、お願いするわ」
リズは若干ばつの悪そうな顔をしたものの、彼女は店主なりにやることがあるのだろう、結局は俺にお願いして他の場所の準備に移る。
もう大体の配置は解っているので、箱の中に入っているまあまあ上質そうなインゴットを棚の上に置いていく……なんというか、すっかりバイトの店員のように慣れてしまった感があり、嬉しいような悲しいような。
そのまま黙々と並べる作業を続けた後、こんなんで良いか、と店員としては先輩にあたるハンナさんに確認をとってOKを貰い、後は《リズベット武具店》の開店時間を待つだけとなる。
「ありがとー! はいこれ、頼まれてたクナイとお礼のコーヒー」
「お、ありがとう」
俺が店の開店準備等を手伝っている代わりに、昨日頼んだクナイの手入れをもうやってくれたらしい。
リズの手から受け取って、念のために注文通りなのかどうかを確認しておく……よし、いつもの通り完璧な仕事である。
「悪いな、クナイ何ていう妙なもん頼んで」
「ショウキが妙なのはいつものことでしょ?」
そう言われると……なんというかまあ、否定出来ないし反論も出来ないのだが。
「だったら、それに関わってるリズも妙ってことだな」
「むう……」
反論しようと言葉を捜すようにしているリ
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