Episode9:ヒロインすぎる……
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一日の始まりを告げる清々しい朝。にも拘らず、俺の気分は最悪だった。昨日、ブランシュを壊滅させた後、待っていたのは、姉さんの料理だった。なぜ、鍋だというのにあれほどの死臭が漂うのか、なぜ鍋だというのにあんなに瘴気が噴き出ているのか。などまだまだたくさん疑問があったのだが、気づいたら、俺の口の中にイエティのものと思しき肉が入っていた。噛まないように注意しながら横を向くと、最上の笑みでアーンをした体勢でいる姉さんの姿があった。
そのすぐ後、俺の意識は飛んだ。そして、起きたのが今だ。
「う……まだ昨日の瘴気みたいなのが体の中に残ってるよ……」
激しい頭痛に呻きつつも体を起こす。枕元にあった時計を見ると、
「マズイ!このままじゃ遅刻だ!」
表示された時刻に、頭痛ごと眠気も吹き飛んだ。
☆☆☆
「達也、深雪さん!おっはー」
「ああ、おはよう」
「おはようございます」
朝飯を高速で食べてから、すぐに制服に着替えることのできた俺は、無事にいつもどおりの時間に登校することができていた。キャビネットから降りると、昨日と同じく、仲睦まじい兄妹の姿があった。
「ん?達也、誰ョ、ソイツ」
「達也くん知り合い?」
「お知り合いですか?」
と、今日は他に一人の男子生徒と二人の女子生徒の姿があった。お友達かな?
「やあ、俺の名前は九十九隼人だよ。よろしく」
「俺は西城レオンハルトだ。レオで構わないぜ」
「私は千葉エリカよ。よろしくね隼人クン」
「あ、あの柴田美月です。よろしくお願いします」
と、こんな風に、今日は友達が増えたのだった。
「え、隼人クンてもう風紀委員なの?」
「ん、まだ正式ってわけじゃないらしいけどね。ほぼ決まりらしいよ」
「へー、すげえんだな隼人って」
「そんなでもないよ、深雪さんのほうが断然凄いでしょ」
「そんなことないわ、私よりお兄様のほうが凄いわ」
「深雪さんって、やっぱりお兄さん思いなんですね」
「あ、はは。見事なブラコ……い、いえ、なんでもありませんよ」
絶対零度の瞳で睨まれた俺は、ただただ謝ることしかできなかった。と、そんなときだった。俺は、今日一日が波乱の日になることを悟った。
☆☆☆
「なあ、達也って生
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