第一幕その五
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皆で言う。確かに軍曹と言えば結構なものだ。将校は貴族がほぼ独占しているのでなろうにもなれないところがあるからだ。それで彼等も一目置いてきたのだ。
「結構なものですよ」
「そうですかね」
「そうですよ。だから一杯」
「どんどん」
彼を飲ませてそちらに目を向けさせる。しかしここでまた一つ問題が起こってしまっていた。
ジェロントが戻ってきていた。そして宿屋の主人に何かを言っていた。
「馬車を一台欲しいのだが」
「馬車をですか」
「うむ」
彼は主人に対して頷く。
「いいか」
「ええ、まあ」
主人は深く考えずにそれに頷く。
「それでしたら」
「できれば一時間だな。いいかな」
「わかりました」
「それだけでいいからな」
「それだけでですか」
「何も言うことはないよ」
ちくりと釘を刺してきた。
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