プロローグ〜に当たる何か〜
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誰のとも取れぬデバイスの音声。
『――――起動、完了』
強烈な爆発が巻き起こった。カートリッジ使用による強大な破壊力を持った二人の一撃。
間違いなく、あの死体の魔力障壁は砕かれ、本体にも間違いなくダメージが通っている筈、だった。
「…………ッ」
「ンだよ、これ………――――硬ェっ!」
黒い魔力光の障壁。魔力を纏った二人の得物、頭部を狙った二人の一撃を、障壁は確実に阻んでいた。
死体の足元には魔力光と同じ光色、二重の円の上に描かれた六芒星。誰も見たことのない魔方陣を展開した“ソレ”は、動いた。項垂れる頭を上げ、正面に顔を向け。死体は口を動かさず、声を発した。
「…………破損が酷いな。状態は?」
腹の底に響くような、男の声だった。
男はどうやら自分の状態を理解していないらしく、ソレを誰かに問いただす。その返答は、他でもない彼自身の内側から返ってきた。ソレはデバイスと同じ機械音声、だが。
『素体損傷状況、中。直ちに修復します』
『状況確認、敵対勢力と思われる武装勢力二名を確認。ベルカ式と判別、交戦中。結界内部、遠方に同様の術式を確認。総数、三』
『後方に魔力反応、未確認の術式を確認。情報バンクより検索……ミッドチルダ式と確認。結界内部、遠方に同様の術式を確認。ベルカ式魔導師と交戦中。総数、三』
『周辺空間に展開中の広域結界を確認、外部に反応確認。ミッドチルダ式魔導師を複数確認、術式を多数確認』
『結界外部にベルカ式確認。総数、一。結界魔導師と判断できます』
『最重要項目を確認。右方ベルカ式魔導師、“闇の書”の所有を確認。状況、情報、統合……結界内外ベルカ式魔導師四名を、防衛プログラム「守護騎士」と確認』
『守護騎士に敵対の意思を確認、目標の沈黙を最優先事項と提唱します』
『協議………提唱案を可決。目標の沈黙を優先事項と設定します。素体の再生を開始します』
途切れることなく、矢継ぎ早に続く機械音声。
男の“全身”から流れるソレの最後の言葉を、二人は聞き逃さなかった。
『目標の沈黙』『素体の再生』――――瞬間、攻撃へと回していた魔力を移動へと回す。レヴァンティンとアイゼンは纏う魔力を瞬時に爆発させ、目標の視界を遮ると同時に離脱の好機を作り出した。
一瞬の状況の変化に、なのはとフェイトは完全に置いて行かれた。しかし、今の爆発と二人の後退で状況は一度リセットされた。しかし、下手に動けば状況が悪化する。それは避けるべきだというのは、考えるまでもない。現状は、動かない。ソレこそが最善。そしてそれは正解。
『再生』
巻き起こる爆煙はソレを中心に全方位に吹き飛ばされ、黒色の魔方陣が上下に展開
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