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魔法少女リリカルなのは~箱舟の獣~
プロローグ〜に当たる何か〜
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side-守護騎士



『シグナム、ヴィータちゃん! 頭上に次元転移………なに、これ――――魔力量、測定不能……!?』

十二月某日。第97管理外世界『地球』にて。
少女達の戦いの最中に、それは突如として現れた。

「シャマル、一体何が来るというのだ!?」

後方支援(バックアップ)の熟練であるシャマルをして、測定不能。
出現地点こそ割れているが、何が来るのかはまったく不明。その念話は、ヴィータ、そしてザフィーラにも伝わっていた。シグナムとヴィータは対峙する少女二人と距離を取り、頭上への警戒を強める。
対して少女二人、なのはとフェイトも距離を取り、頭上を警戒する。彼女らにも味方陣営からの通信があり、双方共に争っている場合ではなかった。出現地点とされる中央から距離をとったその直後、変化はほんの数秒後の出来事である。
シャマルが作り出した、角錐状の広域結界。その結界内の空に“罅”が入った。
衝撃などまったく無い。だがしかし、罅は数秒ごとに確実に拡大を見せていた。数センチ、数十センチ、数メートル。気がつけば罅は、空を覆うまでの範囲に広がっていた。

『シグナム、ヴィータちゃん、空間転移の準備完了。いつでも離脱できるわ!』

「待て、シャマル………目標の姿だけでも確認していく。私が合図したら全員を一斉に転移(とば)せ」

「ソイツたぶん、あたしらに用があるんだろ。だったら顔だけでも見てやるさ」

『了解……気をつけて』

そういって、シャマルとの念話は“切断”された。
それが、彼女らにとっての合図。空は割れ、宙に広がる巨大な異空間が姿を現した。
異色で異様なその空間を、この場にいる二人の少女は見たことがある。なのはとフェイトだ。彼女達はその空間の呼び名を知っている。それがどういうものであるかを知っている。故に、彼女達は心の中で否定した。其処から“なにか”が現れるということを。

「あれは……虚数空間?」

「なぁ、シグナム……あそこって確か、落ちたら出られない場所だったよな?」

「あぁ、我々が聞き及ぶ『虚数空間』という存在は、その筈だ」

「じゃあなんで……其処から“あんなモノ”が出てくるんだよ」

水平に並ぶ、巨大な六角水晶の柱。六本あるそれらのサイズは約50メートルというところか。それぞれ内側に幾何学な文様が刻み込まれ、それらが絶えず内部で歪な発光を続けている。そしてその中心にある、3メートルほどの金属の棺。全員が理解した。「其処に、理解の及ばない何かがいる」と。
水晶が一様に紅く、強烈な発光を起こす。水晶全てが右回転を起こし、宙に開いた虚数空間へと戻っていく。あの巨大な棺を残して。そうして柱が虚数空間へと戻った直後、空間の裂け目はまるで時間が逆行するかのように修
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