第5章 契約
第56話 ハルケギニアの夏休み・宵の口
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ずはビールって、貴女、日本のサラリーマンですかね。……と思わず問い返しそうに成る台詞を口にするキュルケ。
もっとも、ゲルマニアはドイツ。それで、ドイツとビール、それにソーセージは切っても切れない関係に有りましたか。
それに最後のザワークラウトと言う単語は、ドイツのキャベツを使った漬物の事で、酸っぱい食べ物らしいです。俺は食べた事はないのですが。
……別にキャベツが嫌いな訳でも無ければ、酸っぱい食べ物が苦手な訳でも有りませんよ。ただ、今までは食べる機会に恵まれなかっただけですから。
梅干しは、マジに苦手ですが……。
ただ……。ソーセージで食中毒などは御免ですよ。この時代。中世ヨーロッパではボツリヌス菌などが発見されて居ませんから、その病の原理が判らずに、結構、ソーセージやハムから感染する食中毒は有ったように記憶しています。
ちゃんと加熱してくれていたら問題はないのですが。
いや、そう言えば……。
「なぁ、ルイズ。ブーダン・ノワールは準備出来るか?」
少しタバサの方に視線を向けた後、似合いもしないバニーちゃん姿のルイズに対してそう問い掛ける俺。
そう。日本人には馴染みが薄い食材ですが、ここが地球世界の中世ヨーロッパに近い世界ならば、血を使用した料理は存在したはずです。但し、当然、豚の血などを使用する料理で、人間の血を使用する訳ではないのですが。
「妙な物を頼むわね。でも、残念だけど、今日は置いていないわ」
ルイズがそう答える。尚、最初の時のテンパった雰囲気は大分和らいで来たようには思いますね。
そして、彼女の答えに因って、このハルケギニア世界にもブーダン・ノワールと言う家畜の血を材料とした食物は存在している事が確認出来ました。
もっとも、材料が材料ですから鮮度が命。家畜を屠殺したその日に村中で作るなどと言うタイプの食物だったと思いますから、流通が発達していないこの世界では、流行っている店でも置いて有る事は稀と言う事なのでしょう。
「それで、飲み物は何にするの」
そして、一番厄介な問いを投げ掛けて来るルイズ。この世界では、水よりもワインの方が飲料水としては一般的な世界ですから……。
「俺とタバサに関しては、食事中の酒精は避けたいんやけど、何か置いて有るかな」
いや、むしろ俺に関しては、食事中以外の時も酒精は勘弁して貰いたいのですが。ただ、タバサに関しては、彼女がアルコールで酔っぱらったシーンを見た事がないので、どうなるのか多少の興味は有るのですけど……。
まさか、絡み酒、などと言う事はないと思いますから……。
「何を言っているのよ。ここは酒場。お酒以外に料理も出しているけど、基本的にはアルコールを摂取する所。それ以外の飲み物は用意していないわ」
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