第一幕その四
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い」
娘達も言ってきた。
「それならすぐに修道院に向かうでしょう」
「何でこの酒場で一休みなのかしら」
「じゃあ」
「ああ、ちょっと様子を見た方がいいな」
エドモンドはこう述べる。
「わかったな」
「うん、それじゃあ」
頷くとそこにレスコーが戻ってきた。着飾った老人と一緒である。何か目一杯派手な服を着て無理をして立派に見せている感じである。
「あら」
その老人を見た娘の一人が声をあげた。
「どうかしたの?」
「ええ、あの人だけれど」
友達に言われて答える。
「ジェロントさんじゃない。ジェロント=デ=ラヴォアール」
奇しくもデ=グリューと同じイタリア系だ。
「王室の財政管理をしている方よ」
「そうなの」
「ああ、あの成り上がりの」
エドモンドは彼の名を聞いてこう言った。ジェロントは元々大金持ちで金で爵位と官職を買ったことで知られているのだ。ブルボン王室は宮廷の贅沢を維持する為に売官を行っていたのだ。これはルイ十四世の晩年からはじまった。彼は戦争に建築に贅沢と浪費に明け暮れた為そうしたことも行っていたのである。
「そうね」
「その彼がどうしてあの人の兄さんと」
「それは今から見よう」
エドモンドはそうデ=グリューに返した。
「いいね」
「わかった」
「それでですな」
ジェロントはレスコーに声をかけていた。
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