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」
「……」
それを聞いたゲツガはまったくだという風に首を縦に振る。そして不意にキリトが言った。
「プレイヤーの欲を試す陰険なゲームだな、ALOって。デザイナーは嫌な性格をしてるに違いないぜ」
「ふ、ふ、まったくだ」
サクヤは笑みでキリトに応じる。ゲツガはサクヤに聞く。
「で、サクヤさん。シグルドをどうするんだ?」
サクヤはそう聞かれると目を閉じた。そしてすぐに開くとその目は冴え冴えした光を放っていた。
「ルー、たしか闇魔法スキル上げてたな?」
アリシャ・ルーはそれを聞いて耳をパタパタと動かす。肯定と言う意味だろうか?サクヤは言った。
「じゃあ、シグルドに月光鏡を頼む」
「いいけど、まだ夜じゃないからあんまもたないヨ」
「構わない、すぐ終わる」
そう言ってアリシャ・ルーは詠唱を開始する。唱え終わると周辺が夜を思わせるくらいの暗さになり、サクヤの前に鏡が出現する。その向こうには椅子に座ったシグルドがいた。サクヤはシグルドとしばらく会話をした後に、何かウィンドウを操作した。すると、シグルドは鏡の前に来て何か言おうとしたときに鏡の前から姿を消した。これがレネゲイドになる瞬間かー、と思ったとき魔法が解けたのか辺りが明るくなった。
「サクヤ……」
リーファが心配そうにサクヤにそっと声をかけると、サクヤは大丈夫というように手を上げてウィンドウを消した後、笑みを浮かべて言った。
「……私の判断が間違っていたのか、正しかったのかは次の領主投票で問われるだろう。ともかく、礼を言うよ、リーファ。執政権への参加を頑なに拒み続けた君が救援に来てくれたのはとてもうれしい。それにアリシャ、シルフの内紛のせいで危険に晒してしまってすまなかった」
「生きていれば結果おーらいだヨ!」
お気楽な領主だなーとかゲツガは思った。リーファはゲツガ達のほうを向いて言った。
「あたしは何もしてないもの。お礼ならこの二人にどうぞ」
「そうだ、そう言えば……君達は一体……」
並んだ二人の領主はキリトとゲツガの顔をマジマジと覗き込む。
「そういえば君達、スプリガンとウンディーネの大使……って本当なの?」
好奇心の表現か尻尾をゆらゆらさせながらケットシーの領主のアリシャ・ルーが言った。キリトと顔合わせるゲツガは言えと言うようにアイコンタクトを送るとキリトが腰に手を当て胸を張って答える。
「勿論大嘘だ。ブラフ、ハッタリ、ネゴシエーション」
「な……」
その言葉に領主二人は絶句する。
「無茶な男達だ。あの状況でそんな大法螺を吹くとは……」
「手札がショボイ時はとりあえず掛け金をレイズする主義なんだ。だけど、俺はそんな考えるのは担当
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