第八十三話
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なのだ。
「ごめんなさい。あたしを倒したかったら距離を詰めるべきではありませんでした」
「な、なにを…?」
言っていると言う言葉を発する前にランスロットの甲冑の中の首筋にチョーカーのような物が現れる。そして灰色だった景色が歪むとそこは岩のドームへと変化した。
「え?ちょっとっ!これは…っ!?」
「ここはどこです?」
「何だこれはっ!」
ランスロットの他に近くから慌てたような声が聞こえてくる。
「あっ…エリカさんたちも近くにいたんですね」
「聞くまでも無くあなたの権能よね」
ペルセウスの正面に護堂がけん制するように立ちはだかり、エリカが少しその場を離れ、シリカに近寄り問いかけた。
「ええ。権能で強化されたあたしの能力です」
「強化…?」
「あ、草薙さんもこちらに来たほうが良いですよ?でないと死にます」
「お…おう…行くぞ、万里谷、リリアナ」
「は、はい…」
「分かりました」
それぞれシリカの言葉から何かを感じたのか素直に従いシリカへと近づいた。
「待ちたまえっ!…む?」
呼び止めるペルセウスだが、何かを感じ取ってその動きを止めた。
護堂たちが来た事を確認してシリカはランスロット達に向き直ると言葉を紡ぐ。
「理不尽な世界へようこそ。ここで起きる事柄はすべて理不尽に満ちています。あなた達はこの世界で生き残る事が出来ますか?」
「良く分からないが、ここが貴方の舞台なのだなっ!ならば尋常に…」
「いえ、あなた達の相手は既に用意してあります。もしもそれを打倒できたのなら…その時はあたし自ら出て行くことにしましょう」
そう言うとシリカは魔法陣を形成。それをそのまま上昇させる踏み台を形成し、護堂達を乗せ上空へと退避する。
「わっ!?」
「浮遊術か!?」
「いいえ、こんな魔術はありませんよっ!」
「そもそも魔術でも権能でもないのでしょうね…」
驚く護堂、リリアナ、祐理に、ユカリ達に護堂達より見識が深いエリカがそう答えた。
「用意している…だと?」
そう言ってシリカを追って見上げたランスロットの視線に紅い二つの光点が映る。
「な…なんだアレはっ!?」
護堂の視界も捉えたようだ。
「なかなか恐怖心を煽るフォルムの怪物ね」
エリカがそう評するその怪物は、上半身は人のガイコツのようで下半身は骨のムカデのよう。さらに両腕には切れ味の鋭さそうな鎌が付いていて、そのムカデの足で天井の岩に張り付き、獲物を見下ろしていた。
ザ・スカルリーパー
GRAAAAAAA
威圧するように鳴くと、スカルリーパーはそのムカデのような足で支えていたその巨体を落下させる。
「なっ!?…っ」
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