第八十三話
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ー』
高速の儀式魔法で雷を発生させる事は、上空のマグネットフォースが自身が呼んだ雷すら吸引してしまうのでやり辛い。そこでフェイトはプラズマスフィアを形成し、それを発射台として打つつもりのようだ。
『ぬっ…!マズイかっ!ヤグルシ、アイムールよっ!疾く駆け、我が敵を討てっ!』
メルカルトは真言を紡ぎ、拘束された両手からヤグルシ、アイムールを集束に入ったフェイトに向けて撃ち放った。
「雷光一閃っ!プラズマザンバーーーーーーっ!」
バルディッシュを振り下ろし、その剣先から黄色い閃光がメルカルトに向かって襲い掛かる。
『竜殺しの真髄を見よっ!』
メルカルトはさらに自身の力をヤグルシ、アイムールに注ぎ込み、フェイトが放った閃光を切裂かんと全力を傾けた。
襲い掛かるフェイトのプラズマザンバー。それを切裂くように飛翔する二本の棍棒。
拮抗していた閃光と棍棒は、徐々に棍棒が閃光を切裂き、終にはフェイトへと迫りフェイトを打ちのめす。が、しかし…
ポワンッ
フェイトを捕らえたヤグルシとアイムールだが、それは影分身を消し去っただけに過ぎない。
『虚像かっ!?なればっ』
と、ヤグルシとアイムールを操ってバインドを行使している方のフェイトへと向かわせる。
…しかし、これも影分身。煙を残して消え去っただけだ。
『これも虚像だとっ!?』
ヤグルシとアイムールをその手に引き戻し、ならば本体は何処だと首をふるメルカルト。
その時雷雲轟く空から一筋の光だ差し込んできた。
『何だ…?』
それは強烈な閃光を放つ太陽のようであった。しかし、その実体はフェイトのマグネットフォースによって吸着され、蓄え続けられていた雷が照らし出す光だった。
見上げたメルカルトの視線の先に逆行で黒くしか見えない人影が写る。
フェイトだ。
あの砂塵が舞った瞬間。フェイトは影分身を二体作り出した後、本体は短距離転移で上空へと移動し、マグネットフォースで先ほどから蓄え続けられていた雷に手を加えていたのだ。
バチバチバチと帯電する右手を空へと掲げるフェイト。
「雷遁…麒麟っ!」
フェイトは振り上げた右手をメルカルト目掛けて打ち下ろした。
次の瞬間、莫大な量の雷は一瞬獣のような姿を取ったかと思うと、音すら置き去りにしてメルカルトへ向かって落とされた。
その速度にメルカルトは防御すら間に合わない。
凄まじい衝撃がメルカルトを襲い、辺りの建物を衝撃波がなぎ倒す。
『ぬおおおおおおおっ!?まさかっ!まさかぁ……っ!』
雷に蓄積されたエネルギーは、メルカルトを焼きつくしそうな勢いでその巨体を火達磨に変えた。
ドドーン
重いものが倒れる音が響く。
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