第八十三話
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一瞬で現れる妖精の翅。
【シリカっ!大丈夫!?】
姿勢を制御したフェイトは土煙で姿が見えなくなってしまったシリカへと念話を繋ぎ無事を確かめる。
【大丈夫では有るんですけど……】
【何!?】
【分断されちゃいましたね。槍の騎士があたしの前に居ます】
【今すぐに私もそっちに…】
と言いかけたフェイトだが、何かが飛翔してくる気配を感じて飛び退いた。
「くっ…」
今までフェイトが居た所を大きな棍棒が回転しながら飛翔していった。
その棍棒はブーメランのように持ち主へと返っていく。
粉塵が晴れると現れたのは巨体のまつろわぬ神。メルカルトだ。
「…あなたが私の相手って訳ですか」
『他二人もすでに見合っておるからの』
【何が有ったんですか?】
と、言葉が中断した為にシリカが心配そうに念話を繋いだ。
【どうやら合流は無理みたい】
【一人一柱って事ですね…】
【草薙さんも離されたんだね。これは困った事になったかな?】
【いえ、どちらかが目の前の敵を倒して駆けつければ良いだけですよ】
シリカが言う。
【ふふっ…そうだね。確かにそうだ。だったら、どちらが先に倒すか勝負と行こうか】
【いいですね。負けませんよ】
まつろわぬ神と言う強大な存在を前にして不安を払拭するように冗談を言い合って念話を切る。
フェイトは手に持ったバルディッシュを握りこみ、全力で目の前のメルカルトを打ち滅ぼしシリカの援護に向かうと心に誓う。
バインドの後の転移魔法での一撃死コンボは相手が巨体なのと、嵐に乗って現れた事を考慮すると速須佐之男命同様に雷、暴風を操る能力でバインドを破壊できるだろうと考え実行順位を下げる。さらにメルカルトの巨体には、小技を幾ら撃っても効果は薄いと思い、フェイトは最初からギアをアップした。
「バルディッシュ。最初からフルドライブで行くよ」
『ザンバーフォーム』
ガシャンと斧から大剣へのグリップへと形を変え、魔力で形成された大き目の刃が現れる。
相手の呪力耐性を考えると念法よりも魔法の方だ効果的だ。
『ヤグルシ、アイムールよ。空を駆け、敵を打ち砕けっ!』
真言を紡ぎ、両手に持った棍棒を投げつけるメルカルト。
ヤグルシは風を纏い曲線の軌道で、アイムールは雷を纏って直線でフェイトに向かい、左右からフェイトを襲う。
「はっ!」
最初の振りかぶってからの一振りで放った衝撃波でヤグルシを吹き飛ばし、下から上方へ打ち上げるように斬り上げた二撃目はその巨大化させた剣身で打ち返す。
が、しかし。弾いたはずのヤグルシとアイムールは途中で再度フェイトを追尾に戻る。
左右
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