第八十三話
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【そうですね】
その後フェイトと合流し、封時結界を解除すると二人連れ立って夜の空をユカリを追って駆けて行った。
◇
「行っちまいやがった…」
シリカに取り残された護堂達。
「なあ、エリカ…」
「何?リリィ」
リリアナがエリカに寄って声を掛けた。
「もし…もしもだ。もし、草薙護堂と先ほどの彼女が戦ったら…いや、なんでもない」
信じたくない結末を否定し切れなかったリリアナは質問を取りやめる事で不安を拭い去り、忘れようとした。が、エリカはその質問の続きを察し、答える。
「勝てないわよ。気付いてたかしら?あの空間内では魔術の一切が使えなかった事に」
「ああ。あの首もとのチョーカーが現れた後だな」
シリカの能力範囲に居た護堂達ももちろんシリカの能力下に置かれていた。
「ええ。そしてペルセウスが反撃も出来ずに一方的にやられたのはそれが原因でしょうね。呪力や神力による強化がなければ素の力なんて神とは言え人間より少し上程度でしかないのだわ」
「と言う事はジャミング系と召喚系の二系統の複合技だったのか…」
「いえ、あれはああ言う能力なんじゃないかしら?彼女、理不尽な世界って言っていたわよね?つまりそう言う風に世界の常識を書き換える能力なのではなくて?…つまり、あの空間に引きずりこまれた時点で負けは確実ね」
「そうか…」
「世界がそう言う風に作りかえられていたとしたら、おそらく彼女自身もそのルールを背負っていたはず…しかし、彼女は問題なく魔術…かどうかは分からないけれど術の発動をこなしていた。…これはつまり呪力とは関係ない力なのでしょうね。わたしにはどう言った物なのか分からないけれど」
どんな力なのか見当も付かないとエリカが言う。
「まぁ、救いが有るのは彼女達が基本的に支配欲を持っていないところね。それと、過干渉を嫌う所があるわ。これはデメリットでも有るわね、今回の場合もここまで近くで異変が起こらなければ出張ってまでは解決しなかったんじゃないかしら?基本的にあの人達は此方から喧嘩を吹っかけなければ大丈夫よ。彼らの事はすべて忘れるか、絶対に口に出さないように気をつけなさいね。彼らがそれを望み、わたしもそれが良いと思うから」
「わかった…」
と言う会話をしていると突然に世界が色を取り戻す。
「戻ったか…」
「どうやら元凶は叩けたみたいね」
エリカが踊る事をやめ、疲れ果てて倒れている人々を見て言う。
「そのようだな」
「全く…本当に化物みたいな人達なのよね…彼ら。
彼らを知るとまつろわぬ神や神獣が可愛く見えるわ」
シリカの飛んで行った方を見ながらエリカは呟いたのだった。
◇
「小父様が…負けた?」
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