第八十三話
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吸収されていった。
悪態も、断末魔も上げなかったのは流石に騎士と言う事だったのだろうか。
「終わったの?」
「みたいです」
エリカの声にシリカが答える。
「あなたは神殺し…カンピオーネでいらっしゃるのか?」
ここに来てシリカの異常さに理由を求めるリリアナ。
「リリィ。それは問うてはいけないわ。わたし達は何も見なかったし、何も知らないの」
「エリカ……」
詮索無用とエリカがリリアナに釘を刺す。問わなくても分かる事だが、知らなくても良い事だからだ。
さて、とシリカはようやく少し気を抜いて理不尽な世界《ゲームマスター》を閉じた。
岩のようなドームが取り払われ、スカルリーパーが光の粒子となって消えていくと周りの景色も元に戻る。
魔法陣を下降させ、護堂たちを下ろし、フェイトの援護へ向かわないとと身構えた瞬間、当たり一体を閃光が包んだ。
そして爆音と衝撃がシリカ達を襲う。
『オーバルプロテクション』
いち早く異常に気がついたマリンブロッサムがシリカの了承を得る前に防御魔法を行使、シリカだけではなく護堂たちも包み込んで衝撃波から守った。
「…………!」
「…………!??」
その爆音に声はかき消され、エリカ達が何を言っているのか分からない。
しばらくして衝撃波が通り過ぎたのを確認してマリンブロッサムはバリアを解除した。
「ありがとう。マリンブロッサム」
『当然の事をしたまでですよ、マスター』
シリカがその手に持ったマリンブロッサムにお礼を言うが、主人を守るのは当然と答えたマリンブロッサム。デバイスの人工知能はこの認識を持つ物が多い。
「それでもありがとうね」
今度は照れたようにコアクリスタルがピコピコ光っていた。
その後シリカは護堂達に向き、手短に別れを告げる。
「ちょっとフェイトちゃんの方が心配だから行くね。この結界は向こうが解決したら解くからちょっと待ってて。それと道の真ん中に居ると危ないよ。車に引かれちゃうかもしれないから」
それじゃ、と言ってシリカは飛び立つ。
「ちょっとまっ…」
何か言おうとしていた護堂の静止の声には耳を傾けずシリカは駆けて行った。
【フェイトちゃん、無事ですか?】
【うん、大丈夫だよ】
飛行魔法で空を飛ぶと直ぐにシリカは念話でフェイトを呼び出した。
【すごい爆音と衝撃波が来ましたけど】
【う、うん…相手が強くてね…大技をかましてようやく倒せた感じだよ】
【そうですか…よかった】
【そっちはどう?】
【大丈夫です。二人いたんですが、問題なく倒しました】
【そ、そう?…それじゃ、封時結界を解除してユカリお母さんの所へ向かわないとね
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