第3話
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二人から元気な挨拶が返ってくる。我の前に朝食が用意される。今日の朝食は、ご飯(白米)。ワカメとネギの味噌汁。牛乳。鮭の塩焼き。漬物と、シンプルな朝食だ。
(まあ、我は基本的に和食が好きだからな。シェフ達はそれをよく分かっておる)
いただきますと言ってから、箸を持ちご飯を食べる。キチンと噛んでから飲み込む。
英雄も我と同じ和食を食べておる。
紋白を見ると、目の前に出された人参とにらみ合いをしている。
「紋白様。好き嫌いをしてはなりませぬ。確りと食べてください」
「う〜。あまり人参は好きじゃないのじゃ」
ヒュームに怒られながら、恐る恐る箸で皿の上にある人参を掴む。そして、口に放り込んで咀嚼する。あと2個ほど残っている。
「さあ、紋白様。早く食べないと学校に遅れますぞ」
「る〜」
涙目になりながら人参を全て平らげる。すると、我の後ろで控えていた筈の悠斗が紋白の頭を撫でていた。
「偉いですよ紋白様。好き嫌いはしないようにしましょう。ましてや、紋白様は成長期なのですから。好き嫌いせずにキチンと食べれば、いずれ揚羽様の様な美人な女性になれますよ」
「(ゆ、悠斗が撫でてくれる!好き嫌いしないで食べれば、また撫でてくれるかの!?)わ、分かった。我も揚羽姉様の様になりたいからの!」
ヒュームは苦笑いしつつ、やれやれと言った感じだ。紋白は眩しい位の笑顔を悠斗に向けている。悠斗はニッコリと微笑んでおる。
(く!悠斗に美人と言われた!胸の奥が熱くなる! 紋白め、悠斗に撫でられおって!悠斗も悠斗だ!我の侍従だと言うのに、我を撫でずに紋白ばかり撫でおって!)
既に食事を終えた我は小十郎が淹れたお茶を飲む。我は落ち着きを取り戻すように、ゆっくりとお茶を味わう。
「ふう。小十郎。まだまだだ。確りとお茶の淹れかた勉強するのだ」
「はい!揚羽様!この小十郎。確りと精進致します!」
紋白の頭を撫でていた悠斗が我の側に戻ってきた。我はごちそうさまと言ってから、席を立つ。
「悠斗。小十郎。これより学校に参るぞ!付いてまいれ!」
「はい。揚羽様」
「はい!揚羽様!」
我は食堂を後にするのだった。
揚羽sideout
悠斗side
俺は今、七浜市の道路を自転車も真っ青な速度で走っている。七浜市のみなとみらい地区にある九鬼ビルから揚羽様の通う七浜学園に向かっているのだ。先頭は揚羽様で、中盤が小十郎。殿が俺だ。
「ふははははは!小十郎。悠斗。遅れるでないぞ!」
「はあ。はあ!はい!揚羽様ああ!」
「了解です揚羽様」
余裕の表情で走る揚羽様と俺。小十郎の表情は険しくなっている。
長い住宅地を駆け抜けると、大きな建
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