第3話
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羽side
朝の稽古を終えた我は、汗を流すため風呂で熱いシャワーを浴びている。 産まれたままの姿でシャワーを浴びてはいるが、風呂の外には悠斗と小十郎が待機しておる。
(まあ、小十郎は目隠しをされているがな。悠斗はそもそも目隠しをする必要がないしな。むしろ、見てほしいのだが悠斗は心眼を開眼させているため、目を閉じていても問題が無いらしいからな)
悠斗を拾ってから一月が過ぎた。悠斗が目覚めてから、我は戦いを挑み敗北した。対外的には手合わせと言っているが、我は死闘と思って相手をした。だが、結果は我の敗北だった。武道四天王と呼ばれる我が、一撃すら入れる事も出来ずに敗北したのだ。
(負けて気を失って目覚めたら、悠斗の顔が近くにあったからな。あのとき、初めて我は鼓動の高なりを感じた。以来、悠斗の顔を見ると鼓動の高鳴りが止まらん)
今も熱いシャワーを浴びておるのにも関わらず、悠斗の事を考えると胸の鼓動が早くなる。頬も紅くなっているやも知れん。
(我はこう言った恋愛事には疎い。しかし、悠斗を振り向かせるにはどうすれば良いのだ?)
我は考えてみるが、何か妙案が浮かんでくるわけではなかった。
シャワーを止めて浴室を出る。
「揚羽様!タオルでございます!」
「うむ」
小十郎からタオルを受け取り、体に付いている水滴を拭き取る。
「揚羽様。髪を拭かせていただきます」
「うむ。頼む」
悠斗がハンドタオルで我の髪の毛を拭く。優しく馴れた手付きで髪から余分な水分を拭き取る。無論、耳に付いた水分等も拭き取って行く。
「服を着る。先に出てしばし待っておれ」
「「はい。揚羽様」」
我はバスタオルを篭に入れて、制服に着替える。 悠斗と小十郎は部屋で待機している。
扉を開けて自室に入る。 小十郎と悠斗が目隠しをして(目を閉じて)待機していた。
「二人とも目を開けて構わね」
「はい。揚羽様。湯浴みの後の揚羽様は艶やかですね」
「流石揚羽様にございます!今日も一段と輝いております!」
「ふははは!そうであろう!さて、朝食を食しに行くぞ!朝食は1日の活力になるからな!」
「そうですね。朝御飯はきちんと摂取する事が大事ですからね」
「はい!揚羽様!腹が減っては戦が出来ませんから!」
我は自室を出て、食堂に向かう。食堂に着くと、紋白と英雄が朝食を食べていた。我も椅子に座ろうとすると、悠斗が椅子をそっと後ろに引いてくれる。我は悠斗が引いてくれた椅子に座った。
「おはよう。英雄。紋白。皆、元気であるか!」
「ふははははは!おはようございます姉上。我は英雄(ヒーロー)ゆえ、常に元気であります!」
「おはようございます。姉様。我も元気であります!」
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