第3話
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・・・ん」
そう言って小十郎は完全に気を失なった。俺は小十郎を介抱しつつ、揚羽様とヒュームさんの模擬を見ると、かなり白熱した戦いをしていた。
「はあぁ!でや!」
「ふん!甘いぞ揚羽!」
揚羽様が激しく拳で攻めるも、ヒュームさんは余裕の表情で受け流している。
「は!やあ!せい!」
「は!ふん!そら!」
揚羽様が2発拳を放ち、最後に蹴りを放つ。
ヒュームさんは、拳を避けて蹴りを蹴りで止める。
(やはり、二人とも良い戦いをしているな。スタミナ的にはまだまだ揚羽様にも余裕があるし、ヒュームさんに至っては汗すらかいていない。圧倒的に経験豊富なヒュームさんが有利だな)
両者が激しく動き回る。 攻防がより勢いを増してきた。
ガキャリ等、人がぶつかったとは思えない音が聞こえる。既に道場のあちこちに穴や亀裂が入っている。
「ふははは!流石ヒューム師匠!我に決定的なチャンスをくれぬな!」
「当たり前だ。まだまだ、揚羽に負けてやるつもりはないからな!」
揚羽様が渾身の力を込めた右ストレートを放つ。 ヒュームさんも、カウンターで左ストレートを放った。両者の拳が当たる寸前で止まった。ヒュームさんの左ストレートが揚羽様の真っ正面で止まっている。逆に揚羽様の拳はヒュームさんの右手で押さえられていた。
「く!我の負けか。流石はヒューム師匠。まだまだ、我も精進が必要だな」
「今のは良い一撃だったぞ。だが、まだまだ修行が足りん。ワシを越えるつもりなら、確り精進せい」
両者が構えを解く。互いに向かい合い頭を下げる。二人とも此方にやって来た。二人の足音で、気絶していた小十郎も目を覚ました。
「う、う〜ん。俺は負けたのか?」
「小十郎。目が覚めたか?無理するなよ。頭を強打してるんだから」
「ああ。ありがとう。もう、大丈夫だ!」
小十郎は起き上がる。俺も立ち上がり、揚羽様とヒュームさんに向かい合い。準備していたタオルを揚羽様に差し出す。このタオルは洗って乾かした清潔なタオルだ。道場の入口に置いてあるのを持っておいたのだ。
「お疲れ様です揚羽様。タオルをどうぞ」
「うむ。悠斗は良く気が利くな。我はこれよりシャワーを浴びる。悠斗。小十郎。付いてまいれ」
「はい。揚羽様」
「はい!揚羽様!!」
「では、ヒューム師匠。稽古をつけてくださってありがとうございました」
「うむ。確りと勉強を頑張るのだ。ワシも紋白を起こしに行かなくてはならんからな」
俺と小十郎は、ヒュームさんに頭を下げる。ヒュームさんは道場を出ていった。揚羽様と小十郎も道場を出て行く。俺も二人の後を追って道場を後にするのだった。
悠斗sideout
揚
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