4話
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な。当てにさせてもらうぜランディ」「臨時で入った奴で残る奴は少ないからさ。残ってくれて嬉しいぜ」
皆が口々に賞賛していると金髪の女性が近付いて来た。
「でも、今日から正式な警備隊員なんですからね!今までのようなだらしない態度だとビシビシ行きますから」
「ミレイユ班長もお喜びだぜ」仲間の一人がはやし立てている。
「ちょっとそうじゃないでしょ。私は同期で同じ班のよしみで言ってあげてるの。もう、ランディも笑わない」
「いやあ、俺も警備隊の正式隊員だと思うと嬉しくてさ。みんなこれからもよろしく頼むぜ」
ランディ・オルランドはランドルフの愛称を本名だと偽って、クロスベル自治州警備隊に潜り込んでいた。
団から抜けた直後、大陸中を彷徨っていたが元猟兵という経歴から揉め事、荒事があれば食い扶持には困らなかった。そして面倒事が手に余れば去っていく。そんな生活をして放浪していた。
そんなランディがクロスベルに流れ着いたのは不戦条約締結直前の頃だった。
帝国、共和国の両国境で列車砲をクロスベル市に向け、軍事演習を繰り返しての恫喝行為でまさに開戦寸前という緊張状態が、カジノに入り浸っていた頃に傭兵でもやるつもりで警備隊の臨時隊員募集を知り志願したのだ。
採用基準がクロスベル市民で基礎訓練に耐えられれば採用という非常に低いものだったから即合格で臨時隊員となった。
「身元も調べないとか戦時とはいえ選考基準はどうなってるんだ」
国民軍が主流の各国では兵隊は身分や経歴も正確に把握出来るその国の国民、市民でなければならない。それは自国を守るという国防意識の高さが最初に必要とされるからである。
いきなり移民目的の身元不明の流れ者を軍隊に採用するなどどういう基準なんだ。俺が他国のスパイだったらどうするんだ。
その疑問は警備隊で生活することで自然と明らかになった。
警備隊とはクロスベル市外を警備する軍に準ずる組織だが軍ではないため個人携帯用武器はともかく通常の軍隊が持っている戦車や飛行艇、重火器すら持てないという貧弱さで規模に至っては一国の軍隊とは思えない人員しかおらず、それらを公開して、機械化された軍隊で攻められれば一蹴されると思われスパイを送り込む必要性すら感じなかったのだ。
警備隊の見るべきところは他国に劣らぬ個人携行装備ともしものために備えている高い錬度ぐらいのもので白兵戦をすれば手強いと思われたが、帝国、共和国と白兵戦のみで戦うのは戦争にもならないとわかる。
そして入隊基準が緩いのも元々移民の多いクロスベル自治州では州民権取得の審査がかなり緩く、居住して仕事して税金を納められればほとんど申請が通ってしまうぐらい緩い。
そのため州民権を取るために警備隊に入るものもいるので気にされず、また戦時に近かっ
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