衛宮切嗣
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彼女の目に映るのは、ぐったりしたセシリアと鈴音を千冬とシャルロットに預ける切嗣の姿だった。
「ふ、ふはは……初めてだ。此処までコケにされたのは……!」
その目にあるのは、憎悪に燃える赤黒い瞳だった。
「衛宮切嗣!!貴様は、私が殺す!!」
それだけ告げると、ラウラは第8アリーナを後にした。
後に残ったのは、ブレードで掘りだらけになったアリーナの地面だけだった。
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「ふ〜ん。あのボーヤ、ラウラ・ボーデヴィッヒを相手に力を隠し通すなんて……」
モニターに写る、残心した切嗣を見ながら、金髪の女性が口元に笑みを浮かべる。
「エム、オータム。貴女達は、あの男「衛宮切嗣」をどう評価する?」
アメリカのとある都市にあるホテルの最上階――1泊するだけで、普通のサラリーマンの半生を潰すホテルの最上階、三人の女性がいた。いずれも見目麗しいが、エムと呼ばれた少女は未だ幼いように見える。
「……」
エムは金髪の女性の質問に答える事なく、ただ歯軋りをならした。
「少なくとも……織斑千冬、篠ノ之束の次くらいには警戒するべきだな」
一方の、オータムと呼ばれた女性は切嗣をかなりかっていた。
「アイツが俺以外の誰かに殺されたら困るしな」
ニタァと、ゾッとするような笑顔を浮かべる。
「ふふ……最後の一言以外は私も同感。彼が撃った弾丸、全然解析出来ないもの」
切嗣がエムのIS「サイレント・ゼフィルス」を撃った際にオータムが回収した弾丸、調査はしているが一向に解析出来ずにいた。
「……久々に腕がなるわね。エム、バックアップにとっておいたサイレント・ゼフィルスのデーターをコアに刻み直したから、もう出られるわよ」
瞬間、エムの目がギラリと光った。
「アイツには借りがある。織斑千冬の前に、私がアイツを殺す……」
「おいおい……アレは私の獲物だぞ?」
「そんなの関係無い」
場に、険悪な空気が漂う。が、先に折れたのは意外にもエムだった。
「……と思ったけど、次の一回は譲るわ……それで殺せなかったら、今度は私の番よ」
そんな、少し大人な思考を身に付けたエムを見詰めながら……スコールは高らかに宣言した。
「では、行きますわよ。日本へ」
そういうと、女性は金髪の髪を揺らし立ち上がった。
「計画を第二に移行するわよ」
.
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「切嗣!怪我は!?」
ラウラが去った後、シャルロットは探し人の下に駆け寄った。
「シャルか……」
切嗣は、頬を伝う汗を拭う事もせず
“Release the Moon ”
ISを解除した。そこに居たのはシャルロットが見慣れた衛宮切嗣だった。ぼさぼさの髪と死んだグレーの瞳。手を頬に当てれば解る。どれだけ汗に濡れ、熱を帯びようと変わる事の無い冷たい肌。でも、今なら多分理解出来る。
「シ
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