第一部
カンピオーネとお・り・が・みの設定のすり合わせの話し
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なら、パンドラが人間をカンピオーネにしなければいいのか?と言われると、それも間違いだ。
何故なら、『まつろわぬ神』とは、物事を理性的に考える力を失っており、ある意味で狂った存在だ。自分を殺してくれる人間が現れたとしても、それを拒否するのは目に見えている。そして、暴れて暴れて暴れ続けて・・・最後に残るのは、きっと荒野だけだろう。
やはり、災害を早期に退治出来る神殺しとは必要な存在なのだ。しかし、それを生み出すと、まつろわぬ神がより頑固に抵抗する。あちらを立てればこちらが立たず、という状況なのであった。
「今なら”異界の門”も開かれておるし、『まつろわぬ神』として殺されても、直ぐに現界することが可能じゃよ。再び戦いを挑みに来るか、自分を倒した英雄と友誼を結びにくるか・・・さて、どうなるかの。」
ミーコが呟いた言葉に、アリスは震えた。プライドの高い神々が、人間に殺された事を屈辱に思わない筈がない。もしそうなら、すぐにでも戦いを挑みに来るのではないだろうか?と。・・・だが、質問しても仕方がない事である。不安を押し隠しながら、この話題を口にすることを止めた。
☆☆☆
「・・・で結局、何で分身出来ないの?」
あまりにもスケールの大きい話になっていたので忘れていたが、元々は『分身出来るのか出来ないのか』という話しだった事を思い出した鈴蘭が質問した。
「簡単なの。私たちは、正規の手段を利用してやってきた、安定した存在だからなの。『まつろわぬ神』は、存在が安定していないの。だから、人間の間で語り継がれる神話が変われば、その神の性質そのものも変化してしまうの。」
「あ、『まつろわぬアーサー王』・・・!」
その言葉を聞いた瞬間、アリスの脳裏には、数年前出現したまつろわぬ神、アーサー王の事が浮かんでいた。とある魔女が呼び起こしたその神は、人々の間で語られる伝説が変化したせいで、彼女の望んだ神では無くなっていたらしい。元々病弱だったアリスの容態が更に悪化した原因でもある。
「まつろわぬ神は不安定な存在。つまり、自分の存在を書き換える事も出来るということなの。さっき出現した『まつろわぬ阿修羅』を例にすると、そもそもインド神話でのアシュラというのは、『アスラ神族』という神の一族全ての総称なの。つまり、どの神格でも主神格になれるということなの。あの時現れたのは、恐らく三面六臂の神格である、仏教の『阿修羅』が主神格だったと思うの。だから、自分の姿を改変して、三人の阿修羅として君臨できたの。」
「三面六臂だから、それを三で割ったってこと?いい加減過ぎると思うんだけど・・・。」
「それが『まつろわぬ神』というものなの。理屈なんてどうでもいいの。」
鈴蘭の反
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