暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第51話 油断大敵……分かっていたのに
[5/18]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
だ。耳の良いエルフや風メイジ対策なのだろう。奴等はご丁寧に、音をさえぎるマジックアイテムを持っていた。
足止めしてくれた風メイジが首を飛ばされ……そして、囮となってくれたシャジャル様の胸を剣で刺された。そしてわたしは偵察の為に、護衛の風メイジに《遠見》の魔法をかけてもらっていたので、その効果がまだ残っていた。宙を舞う風メイジの首に、シャジャル様の背中から生える剣。それをモロに見てしまったのだ。
……思い出しただけで背筋が寒くなるね。
「お母さん達は大丈夫かな?」
「そうだね。きっと大丈夫だよ」
……お願いだからそんな事聞かないでおくれよ!!
喉元まで出かかった弱音を飲み込む。今はそんな事を言っている時ではない。
「追手達は大分離れたみたいだね。そろそろ移動しよう。テファ。大丈夫かい?」
「うん。頑張る」
「良し。良い子だ」
逃げ延びる為の最後の希望は、この森の北側にある
樵
(
きこり
)
の小屋だ。そこには爺さんが1人住んでいる。この爺さんはモード大公子飼いのメイジで、テファの事を知らされている1人だ。その爺さんに頼んで、馬車で包囲網の外へ連れ出してもらえば、目の前の危機を脱する事が出来る。
「行くよ」
「うん」
テファを連れて慎重に歩きだす。追手は今わたし達を見失い森全体に広がっている。恐らく一度見つかれば、その追手が集まって来てしまう。もし振り切れたとしても、隠れながらの移動は難しい……いや、不可能だろう。つまり次に見つかったらアウト……か。
細心の注意を払い、追手達が少しでも近付くと先程と同じ方法で隠れる。そしてディテクトマジック《探知》を密に使い、自分達の位置を見失わない様にする。ラインクラスのわたしでは、精神力が少々キツイが背に腹は代えられない。テファも辛いだろうに良く耐えてくれている。
(……あと少し)
それが油断につながったのだろう。本来なら一端隠れなきゃならない所を、そのまま進んでしまったのだ。そして……
「いたぞ!! こっちだ!!」
(しまった!!)
「ねえさん」
「テファ!! 走るよ!!」
「う うん」
テファの手を引き走る。このまま樵小屋に行けば、爺さんも巻き込んで殺される事になってしまう。一端樵小屋から離れて、追手を撒いてからでないと不味い。絶対に諦めない。……そう決心して懸命に足を動かす。テファも必死に着いて来てくれている。藪や茂みを利用して、追手から距離を取る様に走った。
「……しつこいね」
「はぁ はぁ はぁ」
(テファももう限界だって言うのに、このままじゃ……)
身を隠すタイミングが見つからないまま走っていると、急に目の前が開けてしまった。
「しまった!
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ